2019-11-19

11月のホソバミズゼニゴケ


 寒くなり無性芽を作りだしたホソバミズゼニゴケ Apopellia endiviifolia に円頭状の膨らみ(上の写真の赤い矢印)をみつけたので、その部分の断面を作ってみると・・・


 円筒状の雌包膜に包まれて既に小さな胞子体の形になった胚が育っていました(上の写真)。


 胚を取り外すと、この胚がカリプトラに保護されていたことが、ょく分かります(上の写真)。


 少し離れた所にあった別の群落では、上の写真のように、葉状体の背面に疣状の膨らみがたくさん見られました。 この膨らみの断面を作ってみると・・・


 膨らみの下には腔所がありました。 この腔所には造精器があったと思われますが、既に胞子体の形をした胚ができている時期ですから、造精器の様子を見るには遅すぎたようです。
 まだまだわずかな観察からですが、造卵器は6月頃に見られていますので(こちら)、この梅雨の時期に受精し、受精卵は上で見たように11月には小さな胞子体にまで生長していて、翌年の3月下旬に急に蒴柄を伸ばし(こちら)、胞子を散布する(こちら)ようです。

(2019.11.13. 京都市西京区 西芳寺川)

こちらには8月末に北海道で撮ったホソバミズゼニゴケの様子を載せています。



0 件のコメント:

コメントを投稿