2024-05-31

羽化したばかりのオオスカシバ

 オオスカシバ Cephonodes hylas は昼間飛び回る大形の蛾で、幼虫がよく植栽されるクチナシを食餌植物としていることもあって、都市部でもよく見かけます。
 飛び回っている成虫は、和名に透翅(すかしば)とあるように翅が透明ですが、羽化したばかりの頃は、他の多くの蛾同様、下の写真のように翅はびっしりと鱗粉に覆われています。 

 

 上の写真は、翅が乾くのを待っている状態なのでしょう。 全く動かず、いい被写体になってもらいました。
 この後、翅を震わせ、鱗粉を落として飛び去るはずですが、ハイキングの途中で、観察はここまで。
 透明な翅になって飛び回っている様子はこちらに載せています。

(2024.4.30. 京都市山科区小山小川町)


2024-05-30

エゾミズゼニゴケの雄株@5月

 晩秋にはホソバミズゼニゴケは葉状体の先が細かく分かれて無性芽となりますが、エゾミズゼニゴケはそのような無性芽を作らず、違いは明瞭になりますが、その他の時期は、両者はよく似ています。 エゾミズゼニゴケはホソバミズゼニゴケより少し黄色みが強い意向があるのですが、時期や生育環境にもより変化しますので、外見で区別するのは難しい場合が多いようです。 分布は、近畿地方の低地ではエゾミズゴケは日本海側に見られ、太平洋側では稀です。
 上は 2024.5.22.に京都府南丹市美山町で撮った写真ですが、調べた結果はエゾミズゼニゴケ Pellia neesiana でした。


 本種は雌雄異株で、上の写真は雄株です。 小さなポツポツは造精器ができる所でしょう。

 上は葉状体内部の細胞の様子です。 一部に細胞壁が厚くなった細胞の集団があります。 ホソバミズゼニゴケにはこのような肥厚帯は見られません。

 上は葉状体の横断面です。 背面の左側にある2つの大きな膨らみは造精器が作られる所で、背面の中央やや右に2つある小さな膨らみは粘液毛です。 肥厚帯はなんとなく分かりますが、気泡が多く入ってしまい、はっきりしません。

 上は造精器が作られる腔所周辺の拡大です。 腔所の出口周辺に大きな柔らかそうな細胞が輪状に並んでいます。
 気になってM氏に資料を送っていただいたところ、Pattonや児玉の本種の図にも、これより少し小さい細胞ですが、同様の図があります。造精器をつくる初期に大きく、次第に小さくなっていくのか、ホソバミズゼニゴケではどうなのか、気になるところです。

◎ 雌株については、こちらに未熟な胞子体をつけたものを、こちらに成熟した胞子体をつけたものを載せています。


2024-05-29

オニヒカゲワラビ

 写真はオニヒカゲワラビ Diplazium nipponicum です。 川沿いなど空中湿度の高い所を好み、本来は常緑性ですが、寒地では夏緑性となる大型の多年性のシダです。 上の写真からも根茎が短く這っていることが分かります。
 葉は3回羽状複葉、ソーラスは線形で一端が中肋に接するのですが、観察時にはソーラスを見つけられませんでした。

 葉柄下部には黒褐色で宿存性の鱗片がまばらについています(上の写真)。 まだ葉が展開していない時期にはアクのない山菜として利用され、この鱗片が本種を見分ける良いポイントとなるようです。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

2024-05-28

オオスギゴケの若い蒴と雄株

 岩の崖に育っていた上の写真のコケ、オオスギゴケかと思いましたが、蒴を見ると・・・

 蒴には縦に稜があって Polytrichum(スギゴケ属)に間違いなさそうですし、このような大形のものはウマスギゴケとオオスギゴケしか思い当たりません。 両者の区別は蒴があると簡単で、頸部のくびれ方が前者では深く(こちら)、後者では浅い(こちら)と理解していました。 ところが上の写真を見ると、頸部のくびれが全く見られません。
 葉の横断面(写真掲載略)を見ると、やはりオオスギゴケ Polytrichum formosum でした。 写真のようなオオスギゴケのまだ若い蒴では、頸部はまだくびれていないようです。
 ウマスギゴケの若い蒴との違いは、他にもいろいろありました。 1つは、蓋の形です。 上のリンクのウマスギゴケと比較してみてください。 もうひとつは帽についている毛の長さです。 ウマスギゴケの和名が、帽の毛を馬のたてがみに例えたところからというのが、分かる気がしました。

 近くには雄器盤をつけた雄株もありました(下の写真)。 これも葉の横断面を作成し、オオスギゴケであることを確認しています。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

2024-05-27

リンゴコブガの幼虫

 

 リンゴコブガ Evonima mandschuriana の幼虫がいました(上の写真)。 頭部から上後方に伸びるモコモコした長い角のようなものは・・・

 上は正面から撮った写真ですが、連なった丸いものの1つひとつをよく見ると、下に口器らしきものがあり、頭部らしいことが分かります。 下はその拡大です。

 リンゴコブガの幼虫は、頭部の脱皮殻を体の上に積み上げます。 脱皮ごとに頭部が成長していることが分かるのですが、この幼虫の場合は脱皮殻が8個ありますから、9齢幼虫ということになります。
 アゲハチョウやカイコではふつう5齢が終齢幼虫です。 これらに比較すると、9齢というのは驚きです。 脱皮回数も種によっていろいろなのですね。

 この幼虫の食餌植物は、和名にあるようにリンゴをはじめ、サクラ類などのバラ科の他、コナラやクリなどブナ科の葉も食べるようです。 また、和名の「コブ」は成虫の前翅に鱗粉の塊によるこぶ状の隆起が見られることによります。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)


2024-05-26

ユミゴケ

 岩の崖で育っていたコケ群落(上の写真)、シッポゴケ科のような葉に内外2列の蒴歯を持った蒴、不思議に思って調べたところ、ユミゴケの群落にアカイチイゴケが少し混生していて、蒴はアカイチイゴケのものでした。
 以下はユミゴケ Dicranodontium denudatum についての観察結果です。

 最初の写真の状態では湿っていましたが、上は乾いた状態です。 平凡社の図鑑などでは、葉が乾くと弓形に曲がり、それが和名の由来であるように書かれています。 しかし、生育環境にもよるのかもしれませんが、今回見た急斜面で育っている姿は、葉は湿っていても弓形に垂れていますし、枝も弓形に曲がっています。
 茎の長さは1~2cm、枝分かれは、弓形に曲がった枝の途中から次の枝が上方に出ています。 茎や枝に付く仮根は、最初は白く、次第に褐色になっていくようです。 葉の長さは5~6mmです。

 本種の特徴の1つとして、葉が落ちやすいことが挙げられます。 こちらに載せたものでは観察中にも葉がたくさん落ちました。 今回はそのようなことはありませんでしたが、上の写真のように葉がなくなっている所はあちこちに見られました。

 上は葉の基部です。 中肋は太く葉鞘部の幅の約1/2を占め、葉身細胞との境は明瞭ではありません。 葉鞘部の縁の細胞は細く薄壁、翼細胞は大きくて薄壁です。

 上は葉鞘部からほんの少し上の葉の横断面です(左端が欠けています)。 ガイドセルは明瞭で、ガイドセルの上と下にステライドがあります。 なお、葉の断面で確認すると、葉の中央付近では葉身部の大部分は中肋で占められており、葉の上部では中肋のみになっていました。

 上は葉先付近です。 葉先には歯がありますが、葉縁も背面もほぼ平滑です。

 上は枝の横断面です。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

2024-05-25

アツブサゴケ

 上はアツブサゴケ Oticodium laevisetum だと思います。 コンクリート製の堰堤の壁についていました。 

 基物に密着していた茎は密に枝分かれしており、そこから多くの枝を上方に出しています。

 乾いた状態で枝の幅は葉を含めて約1mm、蒴は卵状円筒形で直立、蒴柄の長さは上の写真で10mm、平凡社では7~10mmとなっています。

 乾いた状態で枝の幅は葉を含めて約1mm、蒴は卵状円筒形で直立、蒴柄の長さは上の写真で10mm、平凡社では7~10mmとなっています。

 中肋背面の上端は歯で終わっています(上の写真)。

 葉身細胞は長楕円形~線形でやや厚壁、長さは 30~50μmでした(上の写真)。

 基部および翼部の細胞は短く、厚壁です(上の写真)。

 上は蒴歯を蒴の内側から撮っています。 内蒴歯は基礎膜のみで、歯突起や間毛はありません。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

◎ アツブサゴケはこちらにも載せています。 また、こちらには湿って葉の開いた状態の本種を載せています。

2024-05-24

コネジレゴケ

 写真はコネジレゴケ Tortella japonica だと思います。 岩上にありました。 茎が短く、他の多くのコケが混じっていて分かりにくいのですが、狭披針形の葉が本種の葉です。 蒴の蓋には長い嘴があり、その上をさらに長い帽が覆っています。

 1mm方眼紙に置いてみました(上の写真)。 蒴柄は2~2.8cmほどの長さがありますが、茎の長さは5mmもありません。

 葉は乾くと上のように縮れます。

 茎の下部の葉は短く、上部には長い葉がついていました。 上は葉の全体を視野に入れるために短めの葉を撮っています。 長い葉は3mmほどでした。
 葉は鋭頭で全縁、葉の下部にある大形で透明な細胞群は葉縁に沿ってせり上がっています。 葉身の上~中部の細胞は多くのパピラがあるため、形が分からなくなっています。

 上は長めの葉の下部で、少し茎の組織もついています。 葉の基部は鞘状にはなっていません。 透明な細胞群と緑色の細胞群とはV字形の境界をなしています。

 上は葉先です。 葉身細胞にはパピラがあり、中肋はやや突出し、突出部は平滑な短尖となっています。

 葉身上~中部の細胞は幅約5μmで、多くのパピラがあります(上の写真)。

 上は茎の断面で、中心束があります。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

2024-05-23

クラガリシダ

 クラガリシダ Drymotaenium miyoshianum を教えていただきました。 小さな渓流近くの樹幹についていました。 ウラボシ科の常緑のシダで、葉の長さは 20~40cmです。 分布は本州中部以西と四国・九州で、環境省のRDBで絶滅危惧IB類(EN)になっています。

 葉は厚く、表面に1本の溝があります(上の写真)。

 葉を裏面から見ると左右に深い溝があり、ソーラスはこの溝にそって線状に連なっています。 葉の表に1本の溝があり、ソーラスが溝にそって線状につながることなどはシシランなどに似ていますが、別の科に分類されていて、見た印象もかなり違いました。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

2024-05-18

「ミクロの世界のコケ図鑑」の学名さくいん

 「ミクロの世界のコケ図鑑」には、ページ数の関係や、本の性格上必要とする人がそんなに多くないと思われることから、「学名さくいん」は載せていません。 必要な場合は、下をご利用ください。

【 A 】
Acrolejeunea sandvicensis … 166
Andreaea rupestris var. fauriei … 121
Aneura gemmifera … 22
Aneura hirsuta … 22
Anomodon rugelii … 195
Anthoceros agrestis … 14
Apopellia endiviifolia … 204
Asperifolia arguta … 210
Atrichum rhystophyllum … 23
Atrichum undulatum … 24
Atrichum undulatum var. gracilisetum … 24
【 B 】
Barbella flagellifera … 185
Barbula unguiculata … 136
Bartramia pomiformis … 84
Bartramiopsis lescurii … 75
Bazzania denudata … 115
Bazzania mayebarae … 115
Bazzania pompeana … 115
Bazzania tridens … 116
Blasia pusilla … 56
Blepharostoma minor … 207
Blepharostoma trichophyllum … 67
Brachymenium exile … 38
Brachythecium buchananii … 50
Brachythecium helminthocladum … 50
Brachythecium novae-angliae … 99
Brothera leana … 174
Brotherella complanata … 103
Brotherella henonii … 103
Brotherella yokohamae … 190
Bryohumbertia subcomosa … 77
Bryonoguchia molkenboeri … 149
Bryoxiphium norvegicum ssp. japonicum … 124
Bryum argenteum … 36
Bryum billarderii … 90
Bryum capillare … 144
Bryum pseudotriquetrum … 221
Bucklandiella laeta … 125
Buxbaumia aphylla … 70
Buxbaumia minakatae … 70
【 C 】
Callicladium fujiyamae … 187
Callicladium haldanianum … 187
Calohypnum oldhamii … 186
Calohypnum plumiforme … 48
Calohypnum plumiforme var. minus … 186
Calypogeia japonica … 210
Calypogeia japonica … 210
Calypogeia tosana … 64
Campylopus gemmiparus … 174
Campylopus japonicus … 132
Campylopus umbellatus … 132
Cephalozia hamatiloba … 207
Cephalozia otaruensis … 207
Ceratodon purpureus … 33
Cheilolejeunea nipponica … 168
Chrysocladium retrorsum … 185
Climacium dendroides … 94
Climacium japonicum … 94
Cololejeunea japonica … 115
Cololejeunea longifolia … 115
Conocephalum orientalis … 58
Conocephalum purpureorubrum … 60
Conocephalum salebrosum … 60
Conocephalum toyotae … 60
Cratoneuron filicinum … 228
Ctenidium capillifolium … 100
Ctenidium hastile … 100
【 D 】
Dichelyma japonicum … 230
Dicranella heteromalla … 77
Dicranella varia … 77
Dicranodontium denudatum … 34
Dicranum fuscescens … 175
Dicranum hamulosum … 175
Dicranum japonicum … 78
Dicranum majus … 80
Dicranum nipponense … 78
Dicranum scoparium … 80
Dicranum viride var. hakkodense … 175
Didymodon icmadophilus … 138
Didymodon vinealis … 138
Dilutineuron canaliculatum … 128
Dilutineuron fasciculare … 128
Diphyscium fulvifolium … 68
Diplophyllum serrulatum … 63
Distichophyllum collenchymatosum … 95
Distichophyllum maibarae … 95
Ditrichum pallidum … 33
Ditrichum rhynchostegium … 33
Dolichomitra cymbifolia … 154
Dolichomitriopsis diversiformis … 194
Dumortiera hirsuta … 202
Duthiella flaccida … 220
Duthiella flaccida … 220
Duthiella speciosissima … 220
【 E 】
Entodon calycinus … 51
Entodon challengeri … 188
Entodon flavescens … 51
Ephemerum spinulosum … 106
Epipterygium nagasakense … 86
Erpodium sinense … 176
Eumyurium sinicum … 153
【 F 】
Fabronia matsumurae … 186
Fauriella tenuis … 153
Fissidens bryoides var. esquirolii … 133
Fissidens closteri ssp. kiusiuensis … 133
Fissidens dubius … 133
Fissidens geminiflorus … 218
Fissidens hyalinus … 133
Fissidens nobilis … 220
Fissidens taxifolius … 32
Fissidens teysmannianus … 32
Fontinalis antipyretica … 230
Fontinalis hypnoides … 230
Forsstroemia neckeroides … 193
Forsstroemia trichomitria … 193
Forsstroemia yezoana … 193
Fossombronia japonica … 22
Frullania aoshimensis … 164
Frullania densiloba … 164
Frullania ericoides … 164
Frullania hamatiloba … 164
Frullania moniliata … 164
Frullania muscicola … 162
Funaria hygrometrica … 28
【 G 】
Garovaglia elegans … 153
Geheebia ferruginea … 138
Glyphomitrium humillimum … 178
Gollania ruginosa … 151
Grimmia pilifera … 122
【 H 】
Haplocladium angustifolium … 46
Haplocladium microphyllum … 46
Haplohymenium pseudotriste … 195
Haplohymenium triste … 195
Haplomitrium mnioides … 62
Hedwigia ciliata … 142
Herpetineuron toccoae … 157
Heteroscyphus argutus … 67
Heteroscyphus coalitus … 67
Heteroscyphus planus … 67
Homaliadelphus targionianus … 156
Homaliodendron flabellatum … 156
Hookeria acutifolia … 96
Hylocomium brevirostre var. cavifolium … 101
Hylocomium splendens … 152
Hyophila involuta … 140
Hyophila propagulifera … 140
Hypopterygium fauriei … 146
Hypopterygium japonicum … 146
【 I J K 】
Isothecium subdiversiforme … 157
Jubula hutchinsiae … 113
Jubula hutchinsiae subsp. javanica … 113
Kurzia makinoana … 63
【 L 】
Lejeunea discreta … 168
Lejeunea japonica … 168
Lepidozia reptans … 63
Lepidozia subtransversa … 63
Lepidozia vitrea … 63
Leptobryum pyriforme … 38
Leptodictyum riparium … 230
Leptodictyum sp. … 230
Leptolejeunea elliptica … 114
Leskeella pusilla … 148
Leucobryum bowringii … 81
Leucobryum javense … 81
Leucobryum juniperoideum … 82
Leucobryum scabrum … 81
Leucodon atrovirens … 192
Leucodon nipponicus … 192
Liochlaena subulata … 174
Lophocolea heterophylla … 173
Lophocolea minor … 172
Lunularia cruciata … 15
【 M 】
Macromitrium japonicum … 182
Makinoa crispata … 61
Marchantia emarginata subsp. tosana … 18
Marchantia paleacea subsp. diptera … 18
Marchantia polymorpha subsp. ruderalis … 16
Megaceros flagellaris … 200
Metzgeria lindbergii … 169
Metzgeria pubescens … 169
Metzgeria temperat … 169
Microlejeunea ulicina  … 114
Miyabea fruticella … 194
Mnium lycopodioides … 39
Monosolenium tenerum … 19
Mylia taylorii … 62
Mylia verrucosa … 62
Myuroclada maximowiczii … 150
【 N 】
Nardia assamica … 23
Neckera humilis … 193
Neodicradiella pendula … 185
Neotrichocolea bissetii … 206
Niphotrichum barbuloides … 125
Niphotrichum japonicum … 126
Nipponolejeunea pilifera … 170
Nipponolejeunea subalpina … 170
Notothylas orbicularis … 14
Notothylas temperata … 14
Nowellia curvifolia … 171
【 O 】
Odontoschisma denudatum … 171
Odontoschisma pseudogrosseverrucosum … 171
Odontoschisma zhui … 171
Okamuraea brachydictyon … 149
Okamuraea hakoniensis … 149
Oncophorus crispifolius … 134
Orthotrichum consobrinum … 180
Oxyrrhynchium hians … 231
Oxyrrhynchium savatieri … 98
Oxyrrhynchium savatieri … 98
【 P 】
Pallavicinia levieri … 61
Pallavicinia subciliata … 61
Pelekium pygmaeum … 43
Pelekium versicolor … 43
Pellia neesiana … 206
Phaeoceros carolinianus … 12
Philonotis falcata … 221
Philonotis fontana … 222
Philonotis thwaitesii … 86
Philonotis turneriana  … 86
Physcomitrium eurystomum … 30
Physcomitrium readeri … 32
Physcomitrium sphaericum … 30
Plagiochila fordiana … 120
Plagiochila fruticosa … 66
Plagiochila ovalifolia … 118
Plagiochila pulcherrima … 66
Plagiochila sciophila … 120
Plagiomnium acutum … 42
Plagiomnium cuspidatum … 42
Plagiomnium maximoviczii … 42
Plagiomnium vesicatum … 226
Plagiothecium cavifolium … 102
Plagiothecium euryphyllum … 102
Plagiothecium laetum … 102
Plagiothecium neckeroideum … 102
Plagiothecium nemorale … 102
Planicladium nitidulum … 156
Platygyrium repens … 149
Pleuroziopsis ruthenica … 95
Pleurozium schreberi … 101
Pogonatum camusii … 71
Pogonatum contortum … 75
Pogonatum inflexum … 72
Pogonatum japonicum … 75
Pogonatum neesii … 72
Pogonatum nipponicum … 74
Pogonatum otaruense … 74
Pogonatum sphaerothecium … 76
Pogonatum spinulosum … 71
Pohlia flexuosa … 39
Polytrichastrum formosum … 74
Polytrichum commune … 26
Polytrichum juniperinum … 76
Polytrichum piliferum … 76
Porella caespitans var. cordifolia … 110
Porella densifolia … 110
Porella grandiloba … 110
Porella japonica … 111
Porella perrottetiana … 111
Porella ulophylla … 165
Porella vernicosa … 108
Pseudanomodon giraldii … 195
Pseudobarbella levieri … 185
Pseudobarbella wallichii … 185
Pseudobryum speciosum … 87
Pseudotaxiphyllum densum … 51
Pseudotaxiphyllum pohliaecarpum … 51
Pterobryon arbuscula … 192
Ptilidium pulcherrimum … 169
Ptilium crista-castrensis … 100
Ptychomitrium dentatum … 128
Ptychomitrium fauriei … 130
Ptychomitrium gardneri … 129
Ptychomitrium linearifolium … 129
Ptychomitrium linearifolium … 129
Ptychomitrium sinense … 130
Ptychomitrium wilsonii … 128
Pylaisiadelpha tenuirostris … 190
Pylaisiadelpha tristoviridis … 103
Pyrrhobryum dozyanum … 92
Pyrrhobryum spiniforme var. badakense … 92
【 R 】
Racomitrium lanuginosum … 128
Racopilum aristatum … 148
Racopilum aristatum … 148
Radula brunnea … 165
Radula constricta … 111
Radula japonica  … 113
Radula javanica … 113
Radula kojana … 112
Radula oyamensis … 165
Radula perrottetii … 112
Reboulia hemisphaerica ssp. orientalis … 15
Rhizomnium tuomikoskii … 224
Rhodobryum giganteum … 88
Rhodobryum roseum … 88
Rhodobryum ontariense … 90
Rhynchostegium inclinatum … 99
Rhynchostegium pallidifolium … 99
Rhytidiadelphus triquetrus … 152
Riccia beyrichiana … 20
Riccia bifurca … 20
Riccia fluitans … 211
Riccia lamellosa … 20
Riccia nipponica … 21
Riccia sorocarpa … 21
Riccia sp. … 211
Ricciocarpos natans … 212
【 S 】
Sandea japonica … 60
Sanionia uncinata … 230
Scapania ampliata … 120
Scapania bolanderi … 121
Scapania ciliata … 121
Scapania ligulata … 120
Scapania undulata … 211
Schiffneria hyalina … 171
Schistidium liliputanum … 124
Schistidium strictum … 124
Schistochilopsis cornuta … 170
Schistochilopsis incisa … 170
Schistostega pennata … 160
Schwetschkea matsumurae … 186
Sciuro-hypnum plumosum … 50
Sciuro-hypnum populeum … 50
Scopelophila cataractae … 139
Scopelophila ligulata … 139
Sematophyllum subhumile … 187
Solenostoma truncatum … 66
Sphaerocarpos donnellii … 21
Sphagnum cuspidatum … 217
Sphagnum girgensohnii … 216
Sphagnum junghuhnianum … 216
Sphagnum magellanicum … 217
Sphagnum palustre … 214
Sphagnum quinquefarium … 216
Sphagnum squarrosum … 217
Splachnum melanocaulon … 91
tereodon erectiusuculus … 151
Syntrichia laevipila … 184
Syrrhopodon armatus … 175
Syrrhopodon japonicus … 175
【 T 】
Takakia lepidozioides … 54
Taxiphyllum aomoriense … 151
Taxiphyllum taxirameum … 150
Tetraphis geniculata … 71
Tetraphis pellucida … 70
Tetraplodon angustatus … 91
Tetraplodon mnioides … 91
Thamnobryum subseriatum … 154
Thuidium cymbifolium … 43
Thuidium delicatulum … 98
Thuidium kanedae … 44
Thuidium tamariscinum … 98
Torrentaria riparioides … 231
Tortula caucasica … 34
Tortula muralis … 138
Trachycystis flagellaris … 87
Trachycystis microphylla … 40
Trematodon longicollis … 34
Trichocolea pluma … 208
Trichocolea tomentella … 208
Trichocoleopsis sacculata … 206
Tuerckheimia svihlae … 139
【 U 】
Ulota crispa … 184
Ulota japonica … 184
【 W 】
Warnstorfia fluitans … 230
Weissia controversa … 35
Weissia kiiensis … 35
Weissia longidens … 35
Weissia longifolia … 35
Weissia planifolia … 35
Wiesnerella denudata … 19

 

2024-05-16

エゾキヌタゴケ

 

 上はエゾキヌタゴケ Homomallium connexum でしょう。 コンクリートの上に育っていました。

 少し離れた所には、帽の取れた蒴がありました(上の写真)。 透明感のある蓋の美しさに惹かれて撮ったのですが、撮った写真を見て頸部の不思議な色にも気がつきました。

 上は茎葉です。 葉先は急に細くなっています。 翼部はやや暗くなっています。

 翼部には小形で方形の細胞がたくさんあり、葉縁沿いではかなり上まで続いています。

 葉身細胞は線状六角形~線状楕円形です。

(2024.4.12. 京都 嵐山)

◎ エゾキヌタゴケはこちらにも載せています。 また、こちらには胞子散布を始めた時期の蒴を、こちらには蒴歯の様子を載せています。

2024-05-15

シゲリゴケ


 みごとに茂ったシゲリゴケ Cheilolejeunea imbricata、大きさが分かるようにマメヅタの葉を少し入れておきました。 コンクリート製の擁壁に厚く育った蘚苔類の群落に混じっていました。

 茎は不規則に分枝しています。

 背片は円頭、腹片は背片の約1/2の長さで、切頭です。 腹葉は茎径の2~2.5倍幅、1/3~1/2まで狭く2裂しています。

 シゲリゴケ属の腹片は第1歯がほとんど発達せず、歯牙は第2歯です。 本種の歯牙は、平凡社では1細胞幅で2~4細胞長となっています。 歯牙は背片の方向に傾いていて、どこまでが歯牙なのか分かりにくいのですが、上の写真の歯牙は2~3細胞長でしょう。 なお、上の写真は深度合成しています。
 葉身細胞は厚壁で、油体は大形で各細胞に1~2個、ブドウ房状です。

(2024.5.11. 京都府長岡京市 善峯寺近く)

こちらには腹面を反射光で撮った写真(深度合成)を、こちらにはスチルスなどを載せています。