林縁の北向き斜面でオオスギゴケ Polytrichum formosum が蒴をつけていました。 上の写真の手前には少しスギバゴケも混じっています。
オオスギゴケのサイズも生育環境によってかなり変化します。 平凡社の図鑑では茎の高さは3~13cmとなっていますから、写真のものはオオスギゴケとしては小形です。
(こちらには長く育ったオオスギゴケを載せています。)
葉もオオスギゴケにしては小形です。 本種の葉には長い鞘部があります。
上の2枚は葉の横断面です。 薄板の高さは3~4細胞、端細胞は卵形です。
上は蒴で、稜があります。 外観がよく似ているウマスギゴケとは蒴の頸部のくびれ方で区別が可能で、本種のくびれ方はウマスギゴケのように深くありません。
多くのスギゴケ属やニワスギゴケ属の蒴口には口膜があり、胞子は蒴歯の隙間から散布されると思うのですが、上の蒴には口膜がありません。 どうやら口膜は蓋にくっついて落ちてしまったようです。 これは本種の特徴なのか、特殊なケースなのか、もう少し観察例を増やしたいと思います。
(2021.10.7. 長野県 蓼科 標高 2,250m)
◎ こちらにはまだ帽のある若い蒴のオオスギゴケや雄器盤をつけた雄株を載せています。 また、オオスギゴケはこちらやこちらにも載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿