上はコムラサキホコリ Stemonitopsis hyperopta だと思います。 柄の上に細長い子嚢をつけています。 2021.8.25.に兵庫県西宮市の北山での撮影です。
このブログに載せている変形菌を分類別に整理した一覧をこちらに載せていますが、目(もく)によって、特に細毛体の様子は大きく異なっています。 本種の属するムラサキホコリ目の細毛体は子実体の形を保つ骨組みとして機能しています。
上は胞子が飛散して無くなった状態の本種の子嚢を顕微鏡で観察したものですが、左下から上中央に伸びているのが軸柱で、細毛体が網の目に張りめぐらされています。
ところで、上記の分類とは別に、変形菌では下のような見た目の姿からのグループ分けも整理や同定に役立っています。
単子嚢体
変形菌のもっとも一般的な形状です。 本種のように子実体は1個の子嚢を持っています。 柄は種によってあったりなかったりします。
擬着合子嚢体
複数の単子嚢体が密着してできています。 具体例はこちらをご覧ください。
着合子嚢体
変形体が集合して塊になったり絡まり合ったりしてできた構造で、単子嚢体の姿はどこを探してもみつかりません。 キフシススホコリなどがこれです。
屈曲子嚢体
子嚢は細長く、脈状~網状になります。 ヘビヌカホコリなどがこれです。