上はアスナロ(別名アスヒ)
Thujopsis dolabrata の幹と葉です。 井上靖の「あすなろ物語」などの「明日は檜になろう」との説話がよく知られるところとなり、ヒノキより一段劣った木のイメージが広がっています。 しかし、材はやや黄白色で芳香があり、ヒノキよりはるかに多くのヒノキチオールを含有していて、殺菌力と耐湿性にきわめて優れるため、俎板材などとしては最高級にランクされています。 また、樹形もヒノキよりどっしりしていますし、葉もヒノキより大きく厚く、ヒノキより劣っているようには見えません。
アスナロには「アテヒ」などの異名もありますが、この「アテ」は「貴(あて)」かもしれません。 このアテヒがアスヒに訛り、「アス」が「明日」の意味だと解釈されたとも考えられます。
上はアスナロの枝の一部を撮ったもので、右が上面、左の白っぽいのが下面です。(葉の表と裏ではありませんので、上面・下面という表現にしました。)
上面だけを見ればたしかにヒノキに似てなくもないですが、下面の白っぽい所(気孔帯と呼ばれています)を見れば、ヒノキとは全く違います。 比較のために下にヒノキの下面の写真を載せておきます。
(2016.8.31. 金剛山)
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