札幌市南区の真駒内川に沿った道(こちら)に小形のナミガタタチゴケのようなコケがありました(2022.8.25.撮影)。
よく見ると、1本の茎の頂付近から複数の胞子体が伸びています(上の写真)。
ナミガタタチゴケ(以下、ナミガタ)の変種にムツタチゴケ(以下、ムツ) Atrichum undulatum var. gracilisetum があり、北方に多く、基本種(ナミガタ)よりやや小形で、葉はやや幅広く、葉の横じわは弱く、ふつう1茎に2~3本の胞子体が出るとされています。 上の写真はそのようにも見えましたので、持ち帰って確認することにしました。
ナミガタも環境によって大きさはかなり変化しますが、やはりよく見るナミガタより小形ですし、2~4本の胞子体をつけています。
ヒメタチゴケ(以下、ヒメ)もナミガタより小形ですが胞子体は1(~2)本のはずで、違うとは思いますが、一応確認を、と思いました。
(変種のムツを含む)ナミガタは雌雄同株で、ヒメは雌雄異株です。 若い胞子体をつけている株で造精器を探してみたのですが、これはうまく探せませんでした。
仕方なく、細胞の長さで判断することにしました。
上は葉のほぼ中央の葉身細胞です。 平凡社によると、同所のナミガタの細胞は 17-25μm、ヒメは 12-18μmとなっていて、上の写真では 20μmを超える細胞がたくさん見られますから、間違いないでしょう。