写真はクサビゼニゴケ Marchantia emarginata subsp. cuneiloba です。 これも今年の苔・こけ・コケ展で見せていただいたコケです。
葉状体は密集します。 本種は長くトサノゼニゴケに統合されていましたが、鄭・嶋村(2022)により、トサノゼニゴケから分離されました。 トサノゼニゴケはふつう葉状体の中央に細い帯状の暗色部分がありますが、本種にはふつうこの暗色の線はありません。 また、今回は見られませんでしたが、雌器托の裂片の数はトサノゼニゴケより多いようです。
葉状体の幅はトサノゼニゴケとほぼ同じです。
杯状体の縁は繊毛状です。
上は腹面を撮っています。 腹鱗片の付属物の形は、トサノゼニゴケが歯のある三角形から五角形であるのに対し、本種では歯のある卵形です。 上の倍率では歯は分かりませんので、下に顕微鏡写真を載せておきます(ゴミが多いですが・・・)。