上はヤブツルアズキ
Vigna angularis var.
nipponensis です。 葉に小さな白斑がたくさん見られるのは虫のせいで、このことについては明日の記事にする予定です。
花はねじれておもしろい形になっています。 上の写真で左下から右上に伸びている毛の多いのが茎で、真っ直ぐ下に伸びているのは若い果実です。
よく似た花にノアズキがありますが、本種とノアズキとの関係や、本種と栽培されているアズキとは非常に近い関係にあることなどは前に書いていますので(
こちら)、今回は重複を避けます。
花を見ていると、上の写真のようにアリが集まっている所があることに気付きました。 集まるにはそれなりの理由があるはずです。 アブラムシの甘露を求めて集まっているのだろうかと思いながら、ルーペで確認してみると・・・
アリ(種名はまだ調べていません)がこだわっている場所は、茎が少し膨れ、他とは少し色の異なる円い模様があるところです。
アリを追い払って撮ると、液がしみ出てきています(上の写真)。 花外蜜腺のようです。
花外蜜腺のことはこれまで何度か書いていますが、文字のとおり花以外のところにある蜜腺で、これを目当てにアリに来てもらうことで、植物を加害する虫たちをアリに追い払ってもらう効果があると考えられています。
ヤブツルアズキの花序に花外蜜腺があることは、既に知られていることかもしれませんが、私の調べた範囲では、「花序の節が肥厚する」という記載はあっても、そこに花外蜜腺があるという記載は見つけられませんでした。
上はヤブツルアズキの花外蜜腺の断面を作り、顕微鏡で撮影したものです。
(2016.9.24. 堺自然ふれあいの森)