写真のコケ、コマノヒツジゴケかと思ったのですが、調べてみると少し違うようです。 ナガバヒゲバゴケ Cirriphyllum piliferum ではないかと思うのですが、決め手に欠けます。 蒴があれば情報量が増えるのですが、本種の蒴は日本では未知のようです。 また、平凡社では「林内の腐葉土上に生える。」とありますが、育っていたのは石灰岩と思われる岩上です。 ただ、上の写真でも分かるように岩全体がいろいろなコケに覆われていて、このコケも半ば他のコケの上に育っていました。
茎はしばしば小さな葉をつけて長く這います。 枝分かれは多くありません。
枝は葉を丸くつけています。 茎葉と枝葉で大きさにほとんど差はありません。 乾湿による違いも、殆どありませんでした。
葉は長さ 2.5㎜前後で、葉身部分は深く凹み、縦じわがあります。 葉の上部は急に細くなり、糸状に長く伸びています。 中肋は葉身部の2/3ほどの長さです。
上は別の葉の上部です。
葉の基部には方形の細胞が見られます。
上は葉身細胞です。
上は葉の横断面です。 パピラ等はありません。
(2024.7.21. 京都市西京区大原野)