2016-06-30
2016-06-29
ホソオカチョウジガイ
時は梅雨、今日からカタツムリなどの陸生貝類シリーズをはじめます。
ホソオカチョウジガイ Allopeas pyrgula は、軟体部が鮮やかな黄色で、なかなか美しいのですが、小さく、成貝でも殻高が5~7mm、殻径は3mmほどです。 大触角の先の小さく黒い眼がチョコンとかわいいのですが、上の写真では、まだ大触角を伸ばしきっていません。
陸生の貝類の移動できる距離は限られていて、多くの場合、分布状況はあまり変わらないのですが、この貝が見つかる場所はほとんどが人工的な環境で、植木鉢の底などにくっついて、人が移動させているケースが多いようです。
(2016.6.26. 堺自然ふれあいの森)
ホソオカチョウジガイ Allopeas pyrgula は、軟体部が鮮やかな黄色で、なかなか美しいのですが、小さく、成貝でも殻高が5~7mm、殻径は3mmほどです。 大触角の先の小さく黒い眼がチョコンとかわいいのですが、上の写真では、まだ大触角を伸ばしきっていません。
陸生の貝類の移動できる距離は限られていて、多くの場合、分布状況はあまり変わらないのですが、この貝が見つかる場所はほとんどが人工的な環境で、植木鉢の底などにくっついて、人が移動させているケースが多いようです。
(2016.6.26. 堺自然ふれあいの森)
2016-06-27
ヤスマツトビナナフシの異形再生
上は脱皮を終えて間もないヤスマツトビナナフシで、右の中脚にはまだ脱皮殻がくっついています。 長い触角は前脚と揃えて前方に伸ばしていますが・・・
頭部を拡大してみると、左の触角の位置に何か変なものがあります。 これをよく見ると、節があり、先端部分には1対の黒っぽい小さな爪があり、爪の間にはプニョプニョした爪間板(しかんばん)があります。 つまり小さくはありますが、脚のつくりになっています。
上の写真は、堺自然ふれあいの森で行われた実験なのですが、触角を切っておいたところ、脱皮して、触角の位置に脚が再生してきているのです。 このように、本来とは異なるものが再生してくる現象を「異形再生」と呼んでいます。
生態的な意味からすれば、ナナフシの仲間の脚は失われ易く、脚を再生させようとする潜在能力が高いために、触角の位置にまで足を再生させてしまった、ということなのでしょう。
2016-06-24
タイワントビナナフシ
写真はタイワントビナナフシ Sipyloidea sipylus です。 「堺自然ふれあいの森」の「森の館」で撮影させていただきました。
「トビナナフシ」というだけのことはあって、短い距離を飛ぶことができるのですが、上の写真では腹部を下げているので、翅の存在がよく分かります。
上はぶら下がっているタイワントビナナフシの頭部付近を拡大したものです。
この個体は「堺自然ふれあいの森」で昨年幼虫としてみつかりました。 下は昨年9月22日に撮影させてもらった幼虫の翅の様子です。 不完全変態ですので、体形は親とあまり変わりませんが、短い翅です。
飼育していたところ、成虫となり、10月末から卵を産みはじめ(タイワントビナナフシは単為生殖を行います)、卵を産み続けながら冬を越したようです。 産んだ卵は350個ほどになりましたが、まだまだ元気な様子で、体からはゴボウのようなにおいを発し続けています。
この卵が孵化しはじめたと聞き、6月14日に写真を撮らせていただきました。
上がその孵化した幼虫です。 体長は2cmほどです。
上は孵化後の卵殻です。
タイワントビナナフシの日本の分布は、Wikipediaによれば九州と南西諸島になっていますが、ネットで検索してみると、本州でも北陸・関東に至るまで、稀にみつかっているようです。
堺自然ふれあいの森ではこれまでにも数頭みつかっていますので、温暖化の影響で分布を広げているのかもしれませんし、保護色で擬態の“名人”のナナフシの仲間のことですから、いてもなかなかみつからないことも関係しているのでしょう。
※ ナナフシの仲間はバッタ目とは別のナナフシ目に分類されますが、種類数が少ないため、便宜上、右の「ラベル」ではバッタ目に入れています。
2016-06-22
コハネゴケの造精器
上はコハネゴケ Plagiochila sciophila で、①は葉が取れて茎だけになった部分です。 コハネゴケの葉は取れやすく、時々このような姿になります。
②は①とは明らかに様子が異なり、造卵器または若い造精器を包み込んだ部分だと思われます。
上の写真の中央右に飛び出した茎の先は、1枚目の写真の①とも②とも異なります。 これは造精器を包む苞葉(雄包葉)だろうと思います。 自信の無い書き方をしていますが、このようなコハネゴケの造精器や造卵器に関する形態的な記載も写真も、図鑑にもネット上にも見つけることができませんでした。
以上がフィールドで撮った写真で、以下は室内で撮った写真です。
上は顕微鏡で雄包葉を透かしてみたものです。 気泡のために色が濃くなっている部分もありますが、色が濃く球形の部分が造精器だろうと思います。
上の写真では透かしてみるためにかなり明るくしていますので、薄い組織は白っぽくなり、ほとんど見えていませんが、左下の赤い円で囲んだ部分は、たまたま包葉が破れ、未発達な造精器が露出しています。 下はその部分が適正露出でピントが合うようにして拡大し、撮ったものです。
上の写真を見ると口があるようにも見えますが、プレパラート作成時に離れてしまったもので、柄でしょう。
なんとかこの部分の様子がよく分かる写真が撮れないかと、いろんな角度からいろんな方法で撮ってみました。 上の写真では造精器と思われるものの1つが半分露出しています。
上はプレパラート作成時に離れてしまった造精器らしいものの顕微鏡写真です。
(2016.6.15. 豊能町 初谷)
コハネゴケは東南アジアに広く分布しています。 日本を含むアジア大陸東側と北アメリカ大陸東側の植生はよく似ていて(こちら)、「そよ風に乗って」ではその具体例としてローレンシャン高原の植物を取り上げていますが、最も類似性が高いとされているのはアパラチア山脈周辺です。
コハネゴケにそっくりなコケもアパラチア山脈に分布しているようです。 ところがこの種は生殖器官をつけず、葉も落ちないとのことです。
2016-06-21
造卵器をつけたホソバミズゼニゴケ
ホソバミズゼニゴケ Apopellia endiviifolia の葉状体の先端付近に、ラッパの先のようなものができていました(上の写真)。 こんな位置にできるこのようなものは、雌株の生殖器官でしょう。
“ラッパの先”を拡大してみました。 この円筒形の部分が雌包膜になるのでしょうか。 縁は鋸歯状になっています。
“ラッパ”の縦断面を作ってみました(上の写真)。 細長いものが造卵器でしょう。 造卵器の奥の雌包膜が見えると造卵器が分かりにくいので、断面の厚さを薄くして造卵器だけにしたものが下です。
(2016.6.15. 豊能町 初谷)
◎ この造卵器にある卵細胞が受精し、胞子体に育った様子をこちらに載せています。 また、晩秋の無性芽をつけたホソバミズゼニゴケはこちらに載せています。
2016-06-20
ホソオカムラゴケ
写真はホソオカムラゴケ Okamuraea brachydictyon です。 とてもゴチャゴチャした印象ですが、先にたくさんの無性芽がついているためです、と言うよりは、ほとんど無性芽しか見えていない状態です。 いつも湿っているようなコンクリート壁についていました。
上は絡み合っていたホソオカムラゴケをほぐして撮ったものです。 こうする段階でたくさんの無性芽が脱落してしまいましたが、まだわずかに残っています。 無性芽は細い枝状で、枝先に多く見られます。
上は湿った状態で、葉は広がっています。 葉の長さは1~1.5mmほどです。
葉の先は細く尖っています。 中肋は太いのですが、葉先のかなり手前で終わっています。
上は無性芽です。 葉をつけた枝そのもののようにも見えますが、下のように葉と並べて写すと、大きさが全く異なります。
(2016.6.15. 豊能町 初谷)
◎ ホソオカムラゴケはこちらにも載せています。
2016-06-18
オオジャゴケ
※ 記事は2022.3.20.に一部書き換えています。
「ジャゴケ」の和名は葉状体の背面に蛇の鱗に似た模様がある所からでしょう。 この“鱗”の真ん中には気室孔があります。
従来ジャゴケは1種と思われていて、Conocephalum conicum という学名が与えられていました。 しかし、アロザイム多型や葉緑体遺伝子の解析から、世界的には7種(または6種)が存在し、日本のジャゴケについても4種であることが分かり、オオジャゴケ、ウラベニジャゴケ、タカオジャゴケ、マツタケジャゴケという名前がつけられています。 なお、最初に載せた学名はヨーロッパ大陸にのみ分布するタイプにつけられた学名で、日本のものには該当しません。
日本の4種は以下のような生育地や特徴の異なる傾向があるようですが、生育環境や時期的な違いによる個体差もあり、見分けるのがなかなか難しい場合もあるようです。
● オオジャゴケ Conocephalum orientalis
日本全国に分布して最も普通に見られます。 湿った場所を好む傾向があるようです。
● ウラベニジャゴケ C. purpureorubrum
関東北部以南の、沢から離れた場所に見られます。 関東地方で見られる黒みを帯びた東日本型と、静岡~沖縄で見られる黄色味を帯びた西日本型があります。 気室孔とその周辺の組織は小さく、気室の幅の1/3程度です。 気室間の溝が深くはっきりしています。 しばしば葉状体の中央に黒い帯が入ります。
● タカオジャゴケ C. salebrosum
葉状体は薄く、ツヤがありません。 北半球の冷温帯に広く分布するコケです。 気室孔とその周辺の組織は小さく、気室の幅の1/3以下です。 気室間の溝が浅く、あまり目立ちません。
● マツタケジャゴケ C. toyotae
乾燥に弱いようで、冬季に雪で覆われる所に分布します。 強いマツタケの香りがします。 種小名は最初に発見された豊田博士の名にちなんでいます。
以下は大阪府下で普通に見られるオオジャゴケについてです。
上は2016.6.15.に大阪府北部にある豊能町の初谷で、道脇の斜面に育っていたものです。 葉状体の先近くが少し膨れているようです。
上は葉状体を腹面から見たもので、膨らみは背面から見るよりも明らかです。 この膨らみの断面を作ってみると・・・
上は葉状体の断面で、写真の上側が背面、下側が腹面です。 膨らみの中には、もう小さなキノコのような雌器托ができています。 既に受精しているのか受精しなくてもこの段階までは進むのかは不勉強で分かりませんが、受精しているとすれば、これから10ヶ月ほどかけてじっくり胞子体が形成されていくのでしょう。 その10ヶ月後の姿を、時計の針を逆に回すと・・・
上は 2016.3.29.に河内長野市の岩湧寺近くで撮ったもので、葉状体の背面を突き破って雌器托が伸びはじめています。 この雌器托の柄の断面の様子はこちらに載せています。
胞子が成熟すると、雌器托は急激に長く伸びます。 伸びて胞子を出している状態の雌器托はこちらに載せています。
◎ ジャゴケは雌雄異株で、上に載せたのは雌株です。 雄器床をつけた雄株の様子はこちらに載せています。
「ジャゴケ」の和名は葉状体の背面に蛇の鱗に似た模様がある所からでしょう。 この“鱗”の真ん中には気室孔があります。
従来ジャゴケは1種と思われていて、Conocephalum conicum という学名が与えられていました。 しかし、アロザイム多型や葉緑体遺伝子の解析から、世界的には7種(または6種)が存在し、日本のジャゴケについても4種であることが分かり、オオジャゴケ、ウラベニジャゴケ、タカオジャゴケ、マツタケジャゴケという名前がつけられています。 なお、最初に載せた学名はヨーロッパ大陸にのみ分布するタイプにつけられた学名で、日本のものには該当しません。
日本の4種は以下のような生育地や特徴の異なる傾向があるようですが、生育環境や時期的な違いによる個体差もあり、見分けるのがなかなか難しい場合もあるようです。
● オオジャゴケ Conocephalum orientalis
日本全国に分布して最も普通に見られます。 湿った場所を好む傾向があるようです。
● ウラベニジャゴケ C. purpureorubrum
関東北部以南の、沢から離れた場所に見られます。 関東地方で見られる黒みを帯びた東日本型と、静岡~沖縄で見られる黄色味を帯びた西日本型があります。 気室孔とその周辺の組織は小さく、気室の幅の1/3程度です。 気室間の溝が深くはっきりしています。 しばしば葉状体の中央に黒い帯が入ります。
● タカオジャゴケ C. salebrosum
葉状体は薄く、ツヤがありません。 北半球の冷温帯に広く分布するコケです。 気室孔とその周辺の組織は小さく、気室の幅の1/3以下です。 気室間の溝が浅く、あまり目立ちません。
● マツタケジャゴケ C. toyotae
乾燥に弱いようで、冬季に雪で覆われる所に分布します。 強いマツタケの香りがします。 種小名は最初に発見された豊田博士の名にちなんでいます。
以下は大阪府下で普通に見られるオオジャゴケについてです。
上は2016.6.15.に大阪府北部にある豊能町の初谷で、道脇の斜面に育っていたものです。 葉状体の先近くが少し膨れているようです。
上は葉状体を腹面から見たもので、膨らみは背面から見るよりも明らかです。 この膨らみの断面を作ってみると・・・
上は葉状体の断面で、写真の上側が背面、下側が腹面です。 膨らみの中には、もう小さなキノコのような雌器托ができています。 既に受精しているのか受精しなくてもこの段階までは進むのかは不勉強で分かりませんが、受精しているとすれば、これから10ヶ月ほどかけてじっくり胞子体が形成されていくのでしょう。 その10ヶ月後の姿を、時計の針を逆に回すと・・・
上は 2016.3.29.に河内長野市の岩湧寺近くで撮ったもので、葉状体の背面を突き破って雌器托が伸びはじめています。 この雌器托の柄の断面の様子はこちらに載せています。
胞子が成熟すると、雌器托は急激に長く伸びます。 伸びて胞子を出している状態の雌器托はこちらに載せています。
◎ ジャゴケは雌雄異株で、上に載せたのは雌株です。 雄器床をつけた雄株の様子はこちらに載せています。
2016-06-16
2016-06-14
ガの幼虫を食べる寄生蜂の幼虫
上の写真、よく見ないと何がどうなっているのかよく分かりませんが、右の方に黒っぽい3対の脚が見えますし、その右には口器も見えます。 これらの部分はガの幼虫を腹面から見ていて、このガの幼虫の腹部に5頭の寄生蜂の幼虫が頭を突っ込んでいるところです。 しわくちゃになったガの幼虫の腹部も確認できます。
白い繭の中での出来事で、繭の表面を切り開いた中を撮っています。
(2016.5.15. 枚岡公園)
2016-06-13
CombineZPによる深度合成
(最終更新日:2018.7.17.)
オリンパスのカメラ TG-4 のマクロ機能や深度合成についての記事の中で、深度合成を行うフリーソフトである CombineZP についても書きました(こちら)。
CombineZP による深度合成の具体的な方法は、既にいろんなところで紹介されているので、上記記事では省き、「要望があれば別の記事にします」と書いたところ、要望をいただきましたので、もう少し具体的に CombineZP による深度合成の方法を書いてみたいと思います。(「深度合成」については上記記事を見てください。)
0.深度合成のための写真の準備
CombineZP で深度合成するためには、ピントの合っている位置が、手前から奥でも、奥から手前でもいいのですが、順番になるように写真(のファイル名)を並べておく必要があります。
なお、この時、写真のファイル名も写真を入れておくフォルダー名も、漢字やかななどの2バイト文字(=全角文字)を使わないようにしておく必要があります(日本語に対応していません)。
1.CombineZP のダウンロード
これまでは作者である HadleyさんのHP(hadleyweb)からダウンロードしていたのですが、どういうわけかできなくなっています。 ダウンロードが可能なサイトがいろいろ変化しているようですので、検索してみてください。
2.CombineZP のアップデート
私のPCには既に CombineZP が入っていますので、確認していませんが、従来は青字で書いた以下の作業が必要でした。 ダウンロードしたものがアップデート済なら下の作業は不要になりますが、念のために残しておきます。
上記サイト(hadleyweb)から
The Latest update to CombineZP as a Zip Archive (.zip file)
をダウンロード、展開し、CombineZPをインストールしたフォルダー(注1)にコピーします。
(注1) 既定どおりにインストールしていると、Windows10であれば、
OS(C:) > Plogram Files(x86) > Alan Hadley > CombineZP
となると思います。
3.写真データの読み込み
CombineZP を立ち上げると、上のようになります(④はどんどん変化します)。 この左上にある①の「 NEW 」をクリックすると、読み込むファイルを聞いてきますので、1.で準備した連続した写真データを指定し、(1枚目の写真をクリックし、最後の写真で「Shift」キーを押しながらクリックすると、まとめて選択できます)「開く」をクリックします。
連続した写真データの読み込みが終わると、1枚目の写真を表示し、待機状態になります。
4.深度合成の実行と結果の保存
②に示されている内容を③の「GO」で実行させることになります。 そのまま「GO」を押すと、「Align and Balance Used Frames」つまり選択した複数枚の写真の位置合わせを行うことになります。 手持ち撮影などの場合にはこの位置合わせが必要ですが、カメラを三脚で固定している場合などは、この位置合わせは省略できます。
②の[▼]をクリックし、深度合成の方法を選択します。 これには以下のような方法が準備されています。(番号は私がつけたものです。)
(1) Do Stack
(2) Do Soft Stack
(3) Do Weighted Average
(4) Pyramid Weighted Average
(5) Pyramid Do Stack
(6) Pyramid Maximum Contrast
(7) All Methods
準備した写真の条件によって、どれがうまくいくかは一概には言えないようです。 やっているうちにそれぞれの特徴がなんとなく分かってきますが、TG-3~TG-6(2021.8.5.訂正)のフォーカスBKTで撮った写真を深度合成する場合なら、最大でも29枚の写真の深度合成にすぎず、合成に要する時間もそんなにかかりませんから、(7)の All Methods を使えば無難でしょう。
(7)の All Methods は、(1)~(6)の方法による深度合成を行い、それぞれの合成結果を全て「output」フォルダーに残したうえで、(1)の方法で合成した写真(これが標準のようです)を表示します。 この結果を⑤で保存し、「×」でCombineZPを終了させます。
「×」をクリックすると、
Did you wish to Save anything before Leaving CombineZ ?
と聞いてきますが、合成結果を保存すれば通常は他に保存しておくべきものは無いはずで、「いいえ」で終了します。 (7)の All Methods で行った場合は、もっと良い合成画像が無いか、「output」フォルダー内の写真を確認しておくとよいでしょう。 コケの顕微鏡写真のような半透明的要素を持っている場合は、(2)や(6)の結果が良いことも多くあります。
※ ふとしたきっかけで、Wikipedia にも解説記事があることがわかりました(こちら)。 Wikipedia では「深度合成」とは呼ばず、「焦点合成」または「多焦点合成」という言葉を使っていますので、今まで見逃していたようです。 Wikipediaには複数の焦点合成(=深度合成)用ソフトも紹介されています。
オリンパスのカメラ TG-4 のマクロ機能や深度合成についての記事の中で、深度合成を行うフリーソフトである CombineZP についても書きました(こちら)。
CombineZP による深度合成の具体的な方法は、既にいろんなところで紹介されているので、上記記事では省き、「要望があれば別の記事にします」と書いたところ、要望をいただきましたので、もう少し具体的に CombineZP による深度合成の方法を書いてみたいと思います。(「深度合成」については上記記事を見てください。)
0.深度合成のための写真の準備
CombineZP で深度合成するためには、ピントの合っている位置が、手前から奥でも、奥から手前でもいいのですが、順番になるように写真(のファイル名)を並べておく必要があります。
なお、この時、写真のファイル名も写真を入れておくフォルダー名も、漢字やかななどの2バイト文字(=全角文字)を使わないようにしておく必要があります(日本語に対応していません)。
1.CombineZP のダウンロード
これまでは作者である HadleyさんのHP(hadleyweb)からダウンロードしていたのですが、どういうわけかできなくなっています。 ダウンロードが可能なサイトがいろいろ変化しているようですので、検索してみてください。
2.CombineZP のアップデート
私のPCには既に CombineZP が入っていますので、確認していませんが、従来は青字で書いた以下の作業が必要でした。 ダウンロードしたものがアップデート済なら下の作業は不要になりますが、念のために残しておきます。
上記サイト(hadleyweb)から
The Latest update to CombineZP as a Zip Archive (.zip file)
をダウンロード、展開し、CombineZPをインストールしたフォルダー(注1)にコピーします。
(注1) 既定どおりにインストールしていると、Windows10であれば、
OS(C:) > Plogram Files(x86) > Alan Hadley > CombineZP
となると思います。
3.写真データの読み込み
CombineZP を立ち上げると、上のようになります(④はどんどん変化します)。 この左上にある①の「 NEW 」をクリックすると、読み込むファイルを聞いてきますので、1.で準備した連続した写真データを指定し、(1枚目の写真をクリックし、最後の写真で「Shift」キーを押しながらクリックすると、まとめて選択できます)「開く」をクリックします。
連続した写真データの読み込みが終わると、1枚目の写真を表示し、待機状態になります。
4.深度合成の実行と結果の保存
②に示されている内容を③の「GO」で実行させることになります。 そのまま「GO」を押すと、「Align and Balance Used Frames」つまり選択した複数枚の写真の位置合わせを行うことになります。 手持ち撮影などの場合にはこの位置合わせが必要ですが、カメラを三脚で固定している場合などは、この位置合わせは省略できます。
②の[▼]をクリックし、深度合成の方法を選択します。 これには以下のような方法が準備されています。(番号は私がつけたものです。)
(1) Do Stack
(2) Do Soft Stack
(3) Do Weighted Average
(4) Pyramid Weighted Average
(5) Pyramid Do Stack
(6) Pyramid Maximum Contrast
(7) All Methods
準備した写真の条件によって、どれがうまくいくかは一概には言えないようです。 やっているうちにそれぞれの特徴がなんとなく分かってきますが、TG-3~TG-6(2021.8.5.訂正)のフォーカスBKTで撮った写真を深度合成する場合なら、最大でも29枚の写真の深度合成にすぎず、合成に要する時間もそんなにかかりませんから、(7)の All Methods を使えば無難でしょう。
(7)の All Methods は、(1)~(6)の方法による深度合成を行い、それぞれの合成結果を全て「output」フォルダーに残したうえで、(1)の方法で合成した写真(これが標準のようです)を表示します。 この結果を⑤で保存し、「×」でCombineZPを終了させます。
「×」をクリックすると、
Did you wish to Save anything before Leaving CombineZ ?
と聞いてきますが、合成結果を保存すれば通常は他に保存しておくべきものは無いはずで、「いいえ」で終了します。 (7)の All Methods で行った場合は、もっと良い合成画像が無いか、「output」フォルダー内の写真を確認しておくとよいでしょう。 コケの顕微鏡写真のような半透明的要素を持っている場合は、(2)や(6)の結果が良いことも多くあります。
※ ふとしたきっかけで、Wikipedia にも解説記事があることがわかりました(こちら)。 Wikipedia では「深度合成」とは呼ばず、「焦点合成」または「多焦点合成」という言葉を使っていますので、今まで見逃していたようです。 Wikipediaには複数の焦点合成(=深度合成)用ソフトも紹介されています。
2016-06-10
池田市緑のセンター「コケの世界と写真展」のお知らせ
大阪府池田市の五月山緑地都市緑化植物園内にある「池田市緑のセンター」で、昨日(6月9日)から「コケの世界と写真展」が開かれています。 私の写真もたくさん展示されているはず(まだ行ってません)です。
鉢で育てたコケやテラリウムなども展示されているはずです。 今回は京都府立植物園や神戸市立森林植物園でのコケ展ほどの混雑は無く、ゆっくりと見ていただけると思います。
・ 開催日時 : 6月9日(木)~6月20日(月) 09:00-17:00 ※ 火曜日は休館
・ 開催場所 : 池田市緑のセンター(池田市五月丘5-2-5 tel 072-752-7082)
阪急宝塚線池田駅からは、
阪急バス③乗場 石橋行に乗車、3つ目の「五月丘小学校前」下車、徒歩3分
池田駅から徒歩でも20分ほどです
・ 入場料 : 無料
なお、6月12日(日)には、13:00から「こけと遊ぼう!苔テラリウムワークショップ」(参加費:1500円)も開かれます。
2016-06-03
コゴメバオトギリ
写真はコゴメバオトギリ Hypericum perforatum var. angustifolium です。 泉北ニュータウンの道路脇に咲いていました。
コゴメバオトギリはヨーロッパ原産の多年生の外来植物です。 種子でも繁殖しますが、地下茎でも増えるので、上の写真のような群生になることがよくあります。
和名のとおり、葉は花に比較して小さく、規則正しく対生しています。
葉を陽にかざすと、明点が散在していて、黒点もわずかに葉の縁に見られます。
花弁の縁には黒点が並んでいます。
(2016.5.20. 堺市南区若松台)
2016-06-02
スズキクサカゲロウの幼虫
写真はスズキクサカゲロウ Chrysoperla suzukii の幼虫でしょう。
立派な牙です。 この牙の先端には孔があり、牙は獲物の体液を吸うストローの役割もするのですが、この倍率で孔を写すのは無理なようです。
横から見るとペチャンコです。
(2016.5.15. 東大阪市 枚岡公園)
◎ 成虫はこちらに載せています。
2016-06-01
セイナンヒラゴケ
上はセイナンヒラゴケ Neckeromnion calcicola です。 小さな葉が少しずつずれて何重にもなっているようにも見えますが・・・
拡大して葉の縁をなぞってみると、葉が重なっているように見えたのは、上の写真のように、1枚の葉の横しわでした。 葉は4列に扁平についているだけです。
和名は日本の西南部に多い平たいコケの意です。 主に石灰岩地に生育しますが、上の写真のコケも「岡山コケの会」の「コケサロン」で撮影させてもらったものです。
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