2024-12-24

ホウライサワゴケ

 写真はホウライサワゴケ Philonotis hastata でしょう。 葉腋に肉芽状の無性芽をたくさんつけていたのですが、湿らせようとスプレーで水をかけると、大部分の無性芽は吹き飛んでしまいました(-_-;
 他のサワゴケの仲間同様水をよくはじき、水滴があちこちについています。

 育っていたのは用水路の壁面です(上の写真)。 撮っていた時は気づかなかったのですが、水面に浮かんでいるのは無性芽のようです。 ちょうど無性芽がポロポロと落ちる時期だったようです(2024.12.17. 兵庫県三田市)。
 平凡社によると、国内の分布は本州~九州で、「渓谷沿いの土上や石灰岩の洞窟の中に生えるが稀。」となっています。 なお、蒴は日本では未知のようです。

 古い茎から新しい茎が伸びています。 茎の基部には褐色の仮根があります(上の写真)。

 上は茎(の上部)と無性芽です。(葉腋についている無性芽を撮るつもりが、無性芽が落ちてしまいました。) 上部の葉の長さは、長いもので約1㎜です。

 上は無性芽です。

 上は中部の葉(上)と株の葉(下)です。 葉を茎からはずす時、柔らかい葉だと思いました。 葉形は全体的に丸みを帯びていますし、 コツクシサワゴケ、オオサワゴケ、カマサワゴケなど大阪付近の低地で見るサワゴケの仲間の葉先はどれも細く尖るか鋭頭ですが、本種の葉先は鈍頭です。

 上は中央部の葉の葉先付近で、中肋は葉先から数細胞下で終わっています。

 上は葉の中央付近の背面です。 葉縁はほぼ全周に微歯が並んでいます。 葉身細胞にはサワゴケの仲間には珍しくパピラが無いようですが・・・

 葉身細胞腹面の上端にはパピラがあります(上の写真)。 ただしこのパピラ、平凡社には「明瞭な」とあるのですが、葉緑体と紛らわしく、上の写真のように葉緑体の少ない細胞でないと見逃してしまいそうです。 また、全ての細胞にあるわけではないように思います。

 中肋背面の細胞にも、上端に突起のある細胞が見られます(上の写真)。

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