2018-05-14

エグリトラカミキリ



 写真はエグリトラカミキリ Chlorophorus japonicus でしょう。 体長1cm前後のカミキリです。


 上は飛んで逃げてとまったところで、まだ翅を完全にたたんでいません。 1・2枚目の写真は、この状態から翅をたたんだところを撮ったもので、時間的には上の写真の方が早いのですが、よく見られる姿を優先して載せています。

 下は上の翅を少し開いた状態を横から撮ったものです。


 上翅の間から黒い腹部が見えていますが、注目したいのは上翅の翅端で、切頭になっていて外側が刺のように尖っています。 和名はこの様子をえぐれているとしたところからのようです。
 なお、本種によく似たカミキリにクロトラカミキリがいるのですが、翅の模様も翅端の様子も微妙に異なります。

(2018.4.29. 京都市大原)

2018-05-13

ブランコヤドリバエとタケカレハ


 上はブランコヤドリバエ Exorista japonica だと思います。 交尾中で、覆いかぶさられているメスの腹部は卵で大きく膨れています。
 和名は、よく枝から糸で垂れ下がっているのが見られるブランコ毛虫(マイマイガの幼虫)に寄生するところからですが、いろいろな大型のチョウ目幼虫(つまり毛虫)の体表に卵を産みつけて寄生します。 成虫も大型の蛾の幼虫の近くで見かけることが多く、上の写真の場合も、1mほど離れた所にタケカレハの幼虫がいました。

 下がそのタケカレハ Euthrix albomaculata の幼虫です。



 タケカレハの幼虫の食餌植物はイネ科のタケ・ササ類やススキなどですが、上の写真の幼虫はササユリにつかまっていました。 「ササ」の名に魅かれたなどという冗談はさておき、すぐ横にケネザサが茂っていますので、そこからたまたま間違って来てしまったのでしょう。 なお、この幼虫の刺毛には毒があります。 背側に毛束が立っている幼虫には毒がある場合が多いので、注意が必要です。
 下は頭付近の近接撮影です。



 この写真は、2018.5.13.に堺自然ふれあいの森で開催された「堺いきもの写真講座」(講師:伊藤ふくお氏)で撮りました。

◎ タケカレハの成虫はこちらに載せています。


2018-05-12

ナベワリ



 ナベワリ Croomia heterosepala は一見双子葉類のような葉ですが、単子葉植物で、数本の並行脈が走っています。
 花は4~5月に葉腋から出て垂れ下がります。 葉の陰に咲く緑色の花ですから、ほんとうに地味な花で、花の径も 1.5cmほどの小さな花ですが、なかなか非凡な花形になっています。 花被が4枚というのも単子葉植物にしては珍しいつくりですが、そのうちの1枚が特に大きくなっています。


 上は花の中央部の拡大です。 オシベは4本、上の写真の赤褐色の部分が葯で、そこから出された黄色い花粉がお団子状態に集まっています。 種子はできるので、メシベもあるはずですが、オシベと花粉に隠されてしまっています。
 この花、どのようにして受粉するのでしょうね。 花粉媒介する虫たちは、花の横から、つまりオシベとオシベの隙間から潜り込むのでしょうか。

 有毒植物で、和名の由来は「舐め割り」の変化したもの、つまり舐めると舌が割れるという伝承によるとも言われていますが、硬いものが「割れる」のであって、柔らかい舌が割れるというのは、私には納得できません。

2018-05-11

カトウツケオグモ


 写真はカトウツケオグモ Phrynarachne katoi でしょう。 カメラを向けると第1、第2歩脚を大きく広げて威嚇してきました。 動き回って、なかなかピントが合いません。
 幼体なのかオスなのか、体長は 3.3mmでしたが、メスの成体は1cm前後で、体色は、頭胸部と腹部は黒褐色で、歩脚は第1、第2歩脚の先端の黒色部分を除いて黄白色となります。



 追いかけ回していると、脚を縮めてしまいました。 腹部には大小のイボがあり、その1つひとつの頂にはトゲが生えています。

(2018.5.4. 堺自然ふれあいの森)

2018-05-09

スギの落枝に覆われていたオオカサゴケ



 スギ植林の林床で、厚く積もったスギの落枝を取り除くと姿を見せたオオカサゴケ Rhodobryum giganteum です。 さすがにしおれたようになっていましたが、霧吹きで水を与えてやると写真のような姿になりました。
 周囲の様子からは、かなりの期間スギの落枝に覆われ続けていたと思われます。 そんな環境でも元気でいた記録として、写真に残しておくことにしました。

(2018.4.29. 京都市大原)

◎ オオカサゴケの顕微鏡レベルの様子などはこちらに載せています。