ナキリスゲは関東以西の林床に生育する常緑の多年草です。 スゲの仲間は似たものが多く、同定が難しいのですが、その多くは春に開花しますから、秋に花穂をつけているスゲは限られてきます。 ナキリスゲには仲間が数種ありますが、秋に開花するやせ形のスゲで下に書くような小穂を持っているのはこの仲間に限られますし、この仲間のナキリスゲ以外はそんなによく見られる種ではありませんから、写真はナキリスゲ(
Carex lenta )と言っていいでしょう。
上はナキリスゲの小穂です。 どの小穂にも細い柄がありますし、それぞれの小穂の上部には雄花が、下部に雌花が付きます。
この株の花はもう終わっていました。 果胞の先端には枯れて茶色くなった柱頭が残っています。 果実は果胞に守られて育ちます。
上は葉の一部を撮ったものです。 ナキリスゲの名前は、葉が硬く菜を切ることができそうだというところからでしょう。 たしかに葉の縁を触れるとざらついていますが、葉の縁の鋸状の突起は、上の写真のように拡大しても、やっとわかる程度の小さなものです。
( 2014.10.7. 堺自然ふれあいの森 )
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