写真はクモノスゴケモドキ Pallavicinia ambigua でしょう。 クモノスゴケの葉状体の先端は細く尖り気味になることがあるのですが(こちら)、本種の葉状体の先端は円く、尖ることはありません。
本種は全体的にクモノスゴケ(葉状体の幅は4~6mm)より少し小形で、葉状体の幅は4mm以下です(上の写真のスケールの最小目盛りは 0.1mmです)。 葉状体の縁には毛が散生しています。 上の写真では中肋部の背面に雌包膜がついています。
横から見ると、クモノスゴケの葉状体が匍匐するのに対し、本種の葉状体は斜上しています。 雌包膜は前方に傾き、先は細かく裂けています。
葉状体の縁の毛は1細胞列で数細胞長です(上の写真)。
腹面には2細胞性の腹鱗片があります(上の写真)。
上は翼部の細胞です。 油体は紡錘形をしています。
上は中肋部の横断面です。 中央に1本の中心束があります。
上は中肋部の中心束です。
平凡社の図鑑の検索表では、クモノスゴケとの区別点として雄包膜を重視しています。 クモノスゴケの雄包膜の先端が鋸歯状であるのに対し、本種は全縁ということです。 しかし本種は雌雄異株なのでしょうか、雄包膜はみつかりませんでした。
(2023.7.8. 宝塚市切畑)
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