写真はジムカデゴケ Didymodon rigidicaulis だと思います。 北八ヶ岳の標高1,540m付近の岩から垂れ下がっていました。 分布は平凡社によると本州中部以北で、亜高山帯の開けた乾燥した石灰岩路頭に多いとなっています。
当初は科の見当もつかなかったのですが、Facebookにあげたところ、コメントをいただき、同定に至ることができました。
葉は湿った状態では最初の写真のように大きく反り返っていますが、乾くと上のように茎にくっつきます。
葉は披針形、長さは 1.5~2.3mmです。 葉縁はほぼ全縁で、中央付近に狭く反曲している部分があります。
上はいつものように安易に取った葉ですが、平凡社の検索表には「葉基部は茎に沿って長く下延する。」とあります。 そこで注意深く慎重に葉を外すと・・・
たしかに葉の基部には長い下延部があります。
上は葉先です。 中肋は葉先近くに達しています。
葉身細胞は長さ5~8μmで、(1~)2~3個のパピラがあります。 なお、平凡社では「3~5個の低いパピラ」となっています。
上は葉の横断面です。 パピラは背腹両面にあります。
中肋部は全体的にステライドは弱いのですが、特に腹面側は未発達です(上の写真)。
茎の断面は丸みを帯びた三角形です(上の写真)。
上は葉腋毛です。 平凡社には「葉腋毛に数細胞性の褐色で球形の無性芽をもつ。」とあるのですが、無性芽は確認できませんでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿