2025-02-21

モリノコダマタケ

 モリノコダマタケ Bryoperdon acuminatum をいただきました。 本種は2023年に日本新産種として報告されたホコリタケ科のきのこで、蘚類に寄生します。 子実体は卵形~円錐形で、無性基部(いわゆる「柄」)を欠き、外皮には刺があります。
 和名を漢字で表現すると「森木霊茸」で、「木霊(こだま)」は「森の精霊」の意味です。 なお、上の写真の数字の単位はmmです。
 上の写真ではツヤゴケ属(ミドリツヤゴケ?)に寄生していますが、ネット上の写真などを見るといろいろな蘚類に寄生するようです。

 子実体の中央で切ってみました(上の写真)。 外皮に覆われた白い部分が胞子になるのですが、まだ若く、胞子は作られていませんでした。 胞子が成熟すると、子実体の尖った先に孔が開き、そこから胞子が飛散されます。

 上は子実体の外皮を切り取り、刺に焦点を合わせて撮った写真です。 刺の柔組織は球形~卵形~棍棒形の細胞で構成されています。
 本種と同じホコリタケ科のスゴリモリダンゴタケ Bovista ochrotricha は、本種に外形がとてもよく似ているのですが、こちらの刺を構成している細胞は円筒形~披針形です。

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