2020-01-17

ミドリツヤゴケ


 コハネゴケに囲まれてミドリツヤゴケ Entodon viridulus がありました。


 茎はやや羽状に分枝しています。 ヒロハツヤゴケエダツヤゴケなどの蒴柄が濃い色をしているのに対し、本種の蒴柄は黄色をおびています。




 葉は長さ1.4~1.8㎜、幅0.7~0.9㎜の卵形~狭卵形でほぼ全縁、先は広く尖り、中央部は凹んでいます。


 上は葉の基部近くです。 中肋は短く二叉していますが、不明瞭な場合もあります。 翼部は多くの方形の細胞が密に並んでいます。


 上は葉身細胞です。


 上は帽を外して撮った蒴です。 蒴は円筒形で直立しています。 なお、この「直立」は蒴と蒴柄の関係を言っているのであって、蒴がまっすぐ上を向いているとは限りません。
 この蓋のついた蒴を縦に切断し、蒴の内側から蒴歯の部分を見たのが下です。


 Entodon(ツヤゴケ属)の蒴歯は2列で、間毛はありません。 上の写真で太く色の薄いのが外蒴歯、細く色の濃いのが内蒴歯です。 ツヤゴケ科は一般に内蒴歯の発達が悪く、ツヤゴケ属も内蒴歯の基礎膜は低く、歯突起は細いのですが、長さは外蒴歯と同じまたはほんの少し短いだけです。
 本種の内蒴歯には、外蒴歯に見られるような細かい縦の条は見られません。 この点がツクシツヤゴケと見分けるポイントの1つになります。

(2019.12.28. 岡山県井原市)

こちらには5月のミドリツヤゴケの胞子散布後の姿を載せています。


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