写真はナガバノシッポゴケ Paraleucobryum longifolium でしょう。 上は8月下旬に長野県と新潟県の境にある雨飾山でY氏が撮影された写真を、左木山がトリミングしています。 分布は、平凡社では北海道・本州の高山帯となっています。
この標本を、9月24日のオカモス関西の顕微鏡観察会で、Y氏から分けていただきました。
平凡社によると、本種の茎の長さは5cmに達し、葉の長さも7~10㎜となっていますが、上の写真のものの茎の長さは約2cm、葉の長さは3~4㎜ですので、本種としては小形です。
葉はやや幅広い基部から針状に長く伸び、少し鎌形に曲がっています。 中肋は太く、葉の基部で幅の1/2以上あり、中上部では葉身部の大部分を占めています。 翼部の細胞は大きく透明ですが、褐色の場合もあるようです。
上は葉先付近を背面から撮っています。
上は葉先から少し下で、歯が丸まって溝状になっている同じ所をピントをずらして撮り、合成しています。 したがって、溝状になった所から少し腹面が見えていますが、写真の大部分は背面です。 これを見ると、葉の上部の背面には小歯がたくさんあってざらついていることが分かります。
上は葉先から1/3ほどの所の葉の横断面です。 中肋は3~4細胞層からなり、葉緑体を含んだ細胞は中央と背面に各1列あり、他の細胞はほぼ透明です。
下は葉の基部から1/4ほどの所の横断面です。 中肋部の基本的な細胞の配列は上と同じですが、葉緑体を含んだ細胞がとても少なくなっています。
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