2018-03-08

チヂミカヤゴケ



 たくさんの丸い蒴をつけたチヂミカヤゴケが樹幹にくっついていました。

 この蒴が割れて花のように開いた姿はこちらに、胞子を出し終えてしぼんでしまった蒴はこちらに載せています。

(2018.3.4. 岩湧山 標高 500m付近)

2018-03-07

ハイヒバゴケ

 このページは当初かなり疑問を感じながらも「ミヤマハイゴケ?」としていたのですが、ハイヒバゴケではないかとメールで連絡いただき、再検討の結果、全面的に書き改めています。


 樹幹に細長く垂れ下がる上の写真のコケ、ハイヒバゴケ Stereodon cupressiforme またはその変種のイトハイヒバゴケ S. cupressiforme var. filiforme のようです。 ハイヒバゴケにも部分的にイトハイヒバゴケのような「一部糸状型」という類型が報告されているとのことです。
 平凡社の図鑑にはイトハイヒバゴケの記載は無く、この糸状に垂れ下がる姿が間違いの元でした。


 拡大して見ると葉の上半部が鎌状に曲がっていて、旧ハイゴケ属の特徴が出ています。


 枝になる膨らみの周囲には糸状と披針形が混ざった偽毛葉がありました(上の写真)。


 枝葉は先が急に細くなり、2本の短い中肋があります。 翼部は暗緑色の明瞭な区画を作っています。 なお、この区画は褐色であることもあるようです。


 葉身細胞は線形で、長さは 50~70μmです。


 翼部には厚壁の細胞が集まっています。

(2018.3.4. 河内長野市 岩湧山 標高 500m付近)

2018-03-05

ナガエノスナゴケではなく・・・

 この記事は当初ナガエノスナゴケ Dilutineuron canaliculatum としていたのですが、どうも違うようで、切片を作ったりして再検討する必要があるのですが、この仲間は私自身まだよくわかっていない所もありますので、しばらく保留します。
 なお、ナガエノスナゴケはこちらこちらに載せています。



 上は2015年の6月中旬に岩湧山で撮ったものです。


 エゾスナゴケやコバノスナゴケと比較してみました(上の写真)。 サンプリングした時期も異なり、それぞれの生育環境も異なりますので、正確な比較にはなりませんが・・・。
 エゾスナゴケは太くずんぐりとしていて枝分かれはほとんど無く、直立する性質が強く、コバノスナゴケは基物上を這う茎から短い枝をたくさん出しています。 ナガエノスナゴケとしたものは、この中間的な性質のようで、茎は這うものの斜上する傾向が強く、やや分枝し、枝は長いようです。


 葉は湿ると反り返り、基部には皺もあり、なかなかきれいなプレパラートにはなりません。


 上は葉先です。 透明尖はほんのわずかです。


 葉身細胞は葉の基部に近づくにつれて細長くなります。 上は葉先から2/3ほどの所で、下は基部近くです。


2018-03-04

蘚苔類の育つ場所

 蘚苔類は独立栄養植物です。 光合成により自身で生活活動に必要なエネルギー源を作りださないと生きていけません。
 光合成に必要なものは、水と二酸化炭素と光です。 二酸化炭素は空気中にあるものですし、水についても、種類にもよりますが、多くの蘚苔類は乾燥すると休眠し、水があると体の表面全体からすばやく吸水する体のつくりになっていて、乾燥に対して抵抗性があります。
 しかし、一般に蘚苔類は背の低い植物ですので、何かに上を覆われて光が不足すると生きていけません。 蘚苔類が育つことができる場所の条件として重要なのは、他の植物や枯葉などに上を覆われないことだと言えそうです。 実際に蘚苔類は岩の上や樹木の幹など他の植物が根を張りにくい場所や、落ち葉に覆われない急斜面などでよく見られます。


 上の写真の地雄央から下にかけて写っている緑色の部分は昨日載せたツクシウロコゴケ Heteroscyphus planus です。 こんなオーバーハングした斜面の奥に育っていました。


 上はタマゴケ Bartramia pomiformis です。 写真の斜面は急ですが、土は肥えていて草本やシダなどが良く育っています。 そんな場所で、このタマゴケは小さな洞を選んだようで、逆さまに育っていました。
 ここなら上を覆われる可能性は低いでしょう。

(2.18.2.28. 堺自然ふれあいの森)

2018-03-03

深度合成はほどほどに

 蘚苔類の新しく作られたばかりの枝や葉は、確率的にあまりゴミがついていない場合が多いのですが、寒さで生長の止まっている冬季はどうしても枝や葉に汚れが多くなり、ミクロの写真撮影には困った季節です。


 久しぶりにあまり汚れていないツクシウロコゴケ Heteroscyphus planus に出会えたので、いままでいい写真が撮れていない腹葉の撮影にチャレンジしました。


 上は深度合成した写真で、下はその深度合成に使った写真のうちの1枚です。


 2枚の写真を比較すると、深度合成したものは茎や葉(側葉)がくっきり写りすぎていて、腹葉が目立ちません。 腹葉の様子を理解するにはこの写真の方が適しているでしょう。

 撮影に使用したツクシウロコゴケは 2018.2.28.に堺自然ふれあいの森で採集したものです。