2015-01-03

キタモンヒゲブトキモグリバエ

 お正月らしく、虫もできるだけ美しいものをと思いましたが、虫に対する美しさの感じ方には個人差が大きいようで・・・



 上はキモグリバエ科のキタモンヒゲブトキモグリバエ( Gampsocera numerata )でしょう。 マテバシイの葉の裏にいました。
 「ハエ」と聞くだけで美しくない!という人もおられるでしょうが、色も美しく、翅の模様もおもしろく、複眼のグラデーションもなかなかのものです(「美しさ」の押し付けかな)。 ただし体長は2.5mm、翅端まででも3.0mmしかない小さなハエです。
 おちゃたてむしさんのところには、このハエの深度合成画像が載せられています(こちら)。 この画像では1枚の翅の中央部に2つの黒斑(1対の翅では計4黒斑)が見られます。 これは「上宮健吉:赤坂御用地のキモグリバエ科」(CiNii収録論文)のPDFファイルに掲載されている写真でも同様です。 しかし上の1枚目の写真では、翅の中央部の黒斑は2つだけのように見えます。 最初は別種かと思ったのですが、よく見れば、2枚の翅の黒斑が上下に重なっています。 生きている時の翅を重ねた状態と、死んで翅を広げた状態との見え方の違いに過ぎませんでした。
 上記の上宮健吉氏の論文に拠ると、このハエの幼虫は腐植を食べているそうです。 汚い所に育っても美しくなれるというのは、安易なすり替え教訓かな。

(2014.12.27. 長居植物園)

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