木の切株に生えていた上の写真のコケは、スジゴケ科のクシノハスジゴケ(
Riccardia multifida )だろうと思います。 いちおう検索表で調べてみましたが、この仲間も似たものが多く、個体変異の幅が大きいので、あまり自信はありませんが・・・。
上は崖に生えていたものですが、1枚目のすぐ近くですし、たぶん同種だと思います。 以下、この苔を少し持ち帰り、調べてみました。
上の写真の画面中央右のゴチャゴチャした部分は生殖枝でしょう。 クシノハスジゴケは雌雄同株ですので、写真のものがクシノハスジゴケであれぱ、この生殖枝は大きさからして両性枝だと思いますが、雌枝や雄枝の可能性もあります。
上は顕微鏡で見たものです。 枝の中央部は複数の細胞が層になっていますが、枝の周囲は単細胞層になっています。 また、縁の細胞は他の翼部の細胞より小さく、凸状に張り出しています。
あちこちの細胞内に見える色の濃いものは油体でしょう。
油体は細胞に1~3個あり、小粒が集合したような形態です(上の写真)。
(2015.7.15. 高槻市摂津峡)