写真はエゾイトゴケ Anomodon rugelii でしょう。 樹幹にびっしりと生えていました。 和名に「エゾ」とついていますが、全国に分布しているようです。
蒴は円筒形で直立しています。 1枚目の写真でよく分かる白っぽい色の蒴歯は、背景を白くしたためによく分からなくなってしまいました。 なお、蒴歯は湿ると閉じるものも、湿ると開くものもあるのですが、エゾイトゴケの蒴歯は湿ると開きました。
葉は乾くと巻縮します。
葉は広い基部から舌状に長く伸び、葉先は上の写真では円頭ですが、広く尖っている葉もありました。 葉の基部の両翼は耳状に下延しています。
葉は顕微鏡で見ると(=透過光で見ると)とても暗く見えます。 葉身細胞にある多くの小さなパピラが光を乱反射させているようです。
上は葉身細胞です。 葉身細胞は方形で、多くの小さなパピラがあります。
上は蒴歯です。 内蒴歯は痕跡的とのことで、外蒴歯(16本)しか確認できませんでした。 エゾイトゴケの属名 Anomodon は「不揃いの歯」という意味です。 内蒴歯が痕跡的であるところからでしょうか。
外蒴歯には密にパピラが見られます。
(2018.5.30. 青森県 蔦沼めぐり自然研究路)
◎ エゾイトゴケはこちらにも載せています。
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