上はコナラの樹幹についていたケミノゴケ Macromitrium comatum です。 帽は蒴全体をほぼ覆っています。 帽の取れた蒴を見ると、蒴はミノゴケより少し細長いようです。
ミノゴケでは湿らせて開いた葉でも葉先は腹側に曲がっていますが(こちら)、本種ではほとんど曲がっていません(上の写真)。 葉先もミノゴケは鈍頭であるのに対し、本種の葉先は鋭頭です。
雌雄異株で、雌株は基物上を這う茎から立ち上がる枝先に胞子体をつけます(上の写真)。 雄株は矮雄を作るようです。
枝葉は2~3mm、上の写真の蒴柄は4mmほどあります。
上は枝葉です。 葉身細胞は厚壁で細胞間の境が明瞭なため、上のような倍率でも細胞が認識できます。
上は枝葉の葉先付近を背面から見ています。 葉の上部は竜骨状になっています。 上の倍率ではパピラはあまりはっきりしませんが、表面が膨らんでいることが確認できます。
葉の中上部では、それぞれの細胞に数個の小さなパピラが見られます。
葉の下部の細胞には1個の大きなパピラが見られました。
葉身細胞の長さは 10~13μmです。 上の写真は細胞の輪郭がはっきりする所にピントを合わせていますので、パピラはぼやけています。
上は蒴歯(の一部)です。 内蒴歯は無く、16本の外蒴歯の表面は密にパピラに覆われています。 丸いものは胞子です。
蒴の下部には気孔が見られます。 上の写真には気孔が4個写っています。
上は胞子です。 胞子の大きさには、かなりのばらつきがあります。
(2020.2.12. 兵庫県三田市)
◎ ケミノゴケはこちらにも載せています。
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