オオヨシキリはほぼ全国のヨシ原などに飛来する夏鳥です。 名前は、ヨシの茎を切り裂き、茎の中に潜む虫などを捕食するところからと言われています。 繁殖期にはなわばりを形成し、ヨシの間に、ヨシの茎や葉などでお椀状の巣を作ります。
大阪府の淀川では5月の初旬から中旬にかけてがなわばりを形成するピークのようで、オオヨシキリのたくさんいる場所では、目立つ場所での自己アピールも必要なのか、よく見える所にも出てきます。
写真は赤い口の中を見せ、「ギョギョシ、ギョギョシ、・・・・」などと大きな声で鳴いているところです。 囀りなのですが、囀りとは言い難い雰囲気です。
オオヨシキリは、この鳴き声から「行行子」とも呼ばれ、夏の季語とされています。
行々し大河はしんと流れけり 一茶
葭切や葭にしづみて暮るる家 秋櫻子
ヨシキリ科の鳥には、オオヨシキリの他にもう一種、やはり夏鳥のコヨシキリがいますが、コヨシキリが目撃されているのは主に本州中部以北ですし、鳴き声も濁った小声ですので、あまり目立ちません。 単にヨシキリと言った場合には、ほとんどの場合、オオヨシキリでしょう。
三波春夫の昭和34年(1959年)のヒット曲に「大利根無情」があります。 これは、天保15年(1844年)、下総国の大利根河原で笹川の繁蔵一家と飯岡の助五郎一家の大喧嘩で命を落とした平手造酒を主人公とした歌ですが、その中では、
利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる
と歌われています。 上の俳句でもそうですが、オオヨシキリの声は、大きいけれど物悲しく聞こえるものなのでしょうか。
※ 上は Part1の 2013.5.14.の記事を、少し改変して引っ越しさせたものです。
1 件のコメント:
【わんちゃんの独り言】オオヨシキリにリンクさせていただきました。
ありがとーです。
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