写真はウワバミゴケ Breutelia arundinifolia です。 熱帯アジアに分布するコケで、日本では屋久島のみで確認されています。 雌雄異株で、上は雄花盤が見られ、雄株です。
大形のコケで、上は上部のみですが、茎の下部はしばしば這い、茎の長さは 20cmに達します。
葉は披針形で、長さ5~8mm、鞘状に茎を抱く基部から背方に反り返り、強い縦じわがあります(上の写真)。
葉は乾くと上の写真のようにねじれます。
中肋は葉先に達しています(上の写真)。 葉の上部の縁には小さな歯が並んでいます。
葉の上部の中肋背面には微歯があります(上の写真)。
翼部の細胞は大きく透明です。
上は葉身細胞です。 平凡社には(細胞の)下端に丸いパピラがつくとあるのですが、上端なのか下端なのかはよく分かりません。
茎は厚く仮根に覆われています(上の写真)。 大形の立ち上がっているコケですから、水を植物体全体に行き渡らせるためにも、この仮根による毛細管現象が役立っているのだろうと思います。
上は仮根の顕微鏡写真です。 下は上の青い四角の部分の拡大です。
仮根は小さなパピラに覆われています。
上は雄花盤です。 調べてみたところ、精子を放出し終えてから時間が経過しているようで、シワシワになった造精器しかなく、写真に写っている褐色のほとんどは側糸です。
(2023.3.9. 屋久島)
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