従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることはこちらに書きました。 今回はその4種のうちのタカオジャゴケ Conocephalum salebrosum です。
上はオオジャゴケとの混生です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 春の新しい葉状体は違いが分かりにくいとのことですが、両種を比較すると、光沢のあるオオジャゴケと光沢の無いタカオジャゴケの違いがよく分かります。 色もオオジャゴケよりも黄色みを帯びた薄い緑色です。
気室の大きさは、オオジャゴケの場合は葉状体の辺縁部では小さく、中央付近で大きいのですが、本種の場合は辺縁部と中央付近とで、気室の大きさがあまり変わりません。
本種は石灰岩の風穴の入り口付近で多く見つかっていて、石灰岩との結びつきが強いようにも思われていましたが、むしろ風穴が作る環境の影響が強いようで、上の写真の場所も石灰岩とは関係の無い場所です。
上は新しく伸びた葉状体の先に近い所の横断面です。 1枚目の写真からは分かりにくいかもしれませんが、葉状体の厚さが薄く、気室孔間の溝もとても浅くなっています。
上の青い線の所が中肋部ですが、この部分の厚さが約 0.5mm、翼部との暑さの差もあまりありません。
上の写真の赤い矢印が気室孔で、白い矢印が気室間の溝ですが、とても浅い溝です。 この溝は翼部では上のような写真ではほとんど分からなくなっています。
上は昨年の葉状体で中肋部の厚くなった所を狙って作った切片です。 中肋部がほんの少し厚くなって粘液洞の存在が確認できるようになりましたが、2枚目の写真と同様、葉状体の厚さが全体的に薄く、気室間の溝はとても浅いものです。
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