2016-06-18

ジャゴケ

 和名は葉状体の背面に蛇の鱗に似た模様がある所からでしょう。 この“鱗”の真ん中には気室孔があります。
 ところで、従来ジャゴケは1種と思われていて、Conocephalum conicum という学名が与えられていました。 しかし、アロザイム多型や葉緑体遺伝子の解析から、世界的には7タイプ以上に分けられ、日本のジャゴケについても3タイプあるとされ、オオジャゴケ、ウラベニジャゴケ、タカオジャゴケという和名が与えられています。 これらは独立の種を構成する可能性が高いとされていますが、最初に載せた学名はヨーロッパ大陸にのみ分布するタイプにつけられた学名で、日本のものには該当しません。 したがって、2005年に独立種として記載されたタカオジャゴケについては、C. salebrosum という学名が与えられていますが、オオジャゴケとウラベニジャゴケについては、未だ学名が無い状態となっています。
 日本の3種は以下のような生育地や特徴の異なる傾向があるようですが、生育環境や時期的な違いによる個体差もあり、見分けるのがなかなか難しいケースもあるようです。
・ オオジャゴケ
 幅の広い葉状体で、沢沿いの飛沫がかかるような場所によく見られるようです。
・ ウラベニジャゴケ
 葉状体腹面の赤みが反映して葉状体背面は黒みを帯びた濃い緑色で、沢から離れた場所によく見られるようです。
・ タカオジャゴケ
 葉状体背面は黄色味を帯びた緑色でツヤが無く、日本では石灰岩との結びつきが強いコケです。


 上は2016.6.15.に大阪府北部にある豊能町の初谷で、道脇の斜面に育っていたもので、ウラベニジャゴケだと思います。 葉状体の先近くが少し膨れているようです。


 上は葉状体を腹面から見たもので、膨らみは背面から見るよりも明らかです。 この膨らみの断面を作ってみると・・・


 上は葉状体の断面で、写真の上側が背面、下側が腹面です。 膨らみの中には、もう小さなキノコのような雌器托ができています。 既に受精しているのか受精しなくてもこの段階までは進むのかは不勉強で分かりませんが、受精しているとすれば、これから10ヶ月ほどかけてじっくり胞子体が形成されていくのでしょう。 その10ヶ月後の姿を、時計の針を逆に回すと・・・


 上は 2016.3.29.に河内長野市の岩湧寺近くで撮ったもので、葉状体の背面を突き破って雌器托が伸びはじめています。
 この後、雌器托はどんどん長く伸びます。 伸びて胞子を出している状態の雌器托はこちらに載せています。


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