以下は Part1の2009.11.13.を大幅に変更した引っ越し記事です。
メリケンカルカヤ Andropogon virginicus は北アメリカ原産の帰化植物です。 いろんな場所で生活できるようですが、やや乾燥した所でよく見られるようです。 刈り込み耐性が強く、年を経るごとに株が大きくなり、絶やすことが難しくなります。
秋には朱色を帯び、たくさんの小穂に生える白毛は、逆光で見るとなかなか美しいものです(上の写真)。
この小穂が風に乗って飛んでいます。 その1つを見ると・・・
イネ科の花や果実(穎果)に関するつくりは、多くの被子植物と大きく異なっていて、またそれぞれの種ごとに“個性”があり、なかなか複雑です。
ほんとうの1つの花をイネ科の場合は「小花」と呼びますが、複数の小花が集まって小穂(しょうすい:注1)を作ります。
春に咲くイネ科の小穂は多くの小花からなる場合が多く、秋に咲くイネ科の小穂は2つの小花からなる場合が多く見られます。 上の写真の両性小穂(メシベとオシベを持つ小花からなる小穂)も、もともとは2つの小花からなっているのですが、本種の場合は下方の小花が護穎のみに退化していて、上方の小花のみ結実します。 つまり、両性小穂の中には1つの種子が入っています。
また、特に秋のイネ科には、短い柄を持つ小穂と長い柄を持つ小穂の2つの小穂がセットで各節ごとにつく場合が多いのですが、本種の場合は、両性小穂は無柄になっており、長い柄のある小穂は退化して柄だけが残っています。
(注1) 起源から言えば小穂がひとつの花序になるのですが、イネ科の場合は小穂の集団を花序とよんでいます。
上は苞葉の中から1本の花序を取り出したものです。 白い長毛は両性小穂をつなぐ軸にもたくさんついています。
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