2024-10-07

タカネツボミゴケ?

 写真は少し疑問が残るのですが、タカネツボミゴケ Solenostoma infuscum var. ovicalyx としておきます。 北海道・鹿追町の標高1,000m付近で撮影しました。
 日本国内では本州~九州の低地で見られるオオホウキゴケの変種とする研究者が多いのですが、世界的にはオオホウキゴケにまとめることが主流のようです。 オオホウキゴケは本州~九州の低地に見られる苔類ですが、変種まで含めると、北海道や本州の亜高山帯にまで分布しているようです。



 植物体は赤みを帯びています。 茎の幅は葉を含めて約3㎜、仮根は少なく、花被は3稜です。

 上は花被の断面です。 蒴柄は断面作成中に外れてしまいました。
 この仲間の分類にはペリギニウムの様子がとても大切になります。 じつは最初は間違った同定をしていました。 私が間違った原因は、ペリギニウムが無いとして検索表をたどったためです。 自信が無かったので、M氏にヒントを与えていただき、緑の楕円の所がペリギニウムかもしれないと思い、平凡社の検索表をたどりなおし、オオホウキゴケに至りました。 その解説を読むと「ペリギニウムは花被と同長である。」と書かれています。 たしかに花被全体が肥厚しているようにも見えます。

 葉は卵状舌形で、長さは幅より長くなっています。

 上は葉身細胞で、大きなトリゴンがあります。 油体は球形~楕円体で、微粒の集合です。上の写真では油体が細胞あたり5~10個ありますが、平凡社によれば、オオホウキゴケの油体は4~6個、タカネツボミゴケはそれより少なく2~4個となっています。

 上はピントを少しずらすとみえる細胞表面のベルカです。

 上は胞子と弾糸です。

 上は胞子です。

◎ タカネツボミゴケと思われるコケはこちらにも載せています。


0 件のコメント: