2025-07-27

パンダアリ

 上は大阪市立自然史博物館で現在開催中の特別展「昆虫MANIAC」で撮影したパンダアリです。 虫ピンの太さからも分かるように、小さな昆虫です。 撮影はガラスに触れないように注意しながら接写し、トリミングしています。
 このパンダアリ、「パンダみたいなアリ? 実はハチ」のキャッチコピーもあって注目されていますが、頭部にこんなに毛があることもおもしろく、少し調べてみました。
 パンダアリの学名は Euspinolia militaris で、南米チリの沿岸部に分布するアリバチ科の1種です。 アリ(アリ科)もハチ(ハチ目)の1グループですが、本種はアリ科ではありませんから、たしかにアリではありません。
 食性は、親は花の蜜や小さな昆虫で、幼虫は親が産卵した地中性のハチの幼虫などに外部寄生します。
 アリバチ科(Mutillidae)のハチは、オスには翅がありますが、メスには翅がありません(だからアリのようにみえます)。 アリバチ科のハチは体に鮮やかな色を持つものや目立つ模様を持つものが多いのですが、護身用に強力な毒針を持っていて、体の色や模様は捕食者に警告する警戒色のようです。 また、体の一部をこすり合わせて高周波音を発し、捕食者を追い払うこともします。
 アリバチ科のハチは全世界に分布しますが、特に熱帯地域で多様性が高く、日本でも九州、沖縄、奄美諸島、屋久島などの南西諸島で多くの種が確認されています。

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