(最終更新日:2018.7.17.)
オリンパスのカメラ TG-4 のマクロ機能や深度合成についての記事の中で、深度合成を行うフリーソフトである CombineZP についても書きました(こちら)。
CombineZP による深度合成の具体的な方法は、既にいろんなところで紹介されているので、上記記事では省き、「要望があれば別の記事にします」と書いたところ、要望をいただきましたので、もう少し具体的に CombineZP による深度合成の方法を書いてみたいと思います。(「深度合成」については上記記事を見てください。)
0.深度合成のための写真の準備
CombineZP で深度合成するためには、ピントの合っている位置が、手前から奥でも、奥から手前でもいいのですが、順番になるように写真(のファイル名)を並べておく必要があります。
なお、この時、写真のファイル名も写真を入れておくフォルダー名も、漢字やかななどの2バイト文字(=全角文字)を使わないようにしておく必要があります(日本語に対応していません)。
1.CombineZP のダウンロード
これまでは作者である HadleyさんのHP(hadleyweb)からダウンロードしていたのですが、どういうわけかできなくなっています。 ダウンロードが可能なサイトがいろいろ変化しているようですので、検索してみてください。
2.CombineZP のアップデート
私のPCには既に CombineZP が入っていますので、確認していませんが、従来は青字で書いた以下の作業が必要でした。 ダウンロードしたものがアップデート済なら下の作業は不要になりますが、念のために残しておきます。
上記サイト(hadleyweb)から
The Latest update to CombineZP as a Zip Archive (.zip file)
をダウンロード、展開し、CombineZPをインストールしたフォルダー(注1)にコピーします。
(注1) 既定どおりにインストールしていると、Windows10であれば、
OS(C:) > Plogram Files(x86) > Alan Hadley > CombineZP
となると思います。
3.写真データの読み込み
CombineZP を立ち上げると、上のようになります(④はどんどん変化します)。 この左上にある①の「 NEW 」をクリックすると、読み込むファイルを聞いてきますので、1.で準備した連続した写真データを指定し、(1枚目の写真をクリックし、最後の写真で「Shift」キーを押しながらクリックすると、まとめて選択できます)「開く」をクリックします。
連続した写真データの読み込みが終わると、1枚目の写真を表示し、待機状態になります。
4.深度合成の実行と結果の保存
②に示されている内容を③の「GO」で実行させることになります。 そのまま「GO」を押すと、「Align and Balance Used Frames」つまり選択した複数枚の写真の位置合わせを行うことになります。 手持ち撮影などの場合にはこの位置合わせが必要ですが、カメラを三脚で固定している場合などは、この位置合わせは省略できます。
②の[▼]をクリックし、深度合成の方法を選択します。 これには以下のような方法が準備されています。(番号は私がつけたものです。)
(1) Do Stack
(2) Do Soft Stack
(3) Do Weighted Average
(4) Pyramid Weighted Average
(5) Pyramid Do Stack
(6) Pyramid Maximum Contrast
(7) All Methods
準備した写真の条件によって、どれがうまくいくかは一概には言えないようです。 やっているうちにそれぞれの特徴がなんとなく分かってきますが、TG-3~TG-6(2021.8.5.訂正)のフォーカスBKTで撮った写真を深度合成する場合なら、最大でも29枚の写真の深度合成にすぎず、合成に要する時間もそんなにかかりませんから、(7)の All Methods を使えば無難でしょう。
(7)の All Methods は、(1)~(6)の方法による深度合成を行い、それぞれの合成結果を全て「output」フォルダーに残したうえで、(1)の方法で合成した写真(これが標準のようです)を表示します。 この結果を⑤で保存し、「×」でCombineZPを終了させます。
「×」をクリックすると、
Did you wish to Save anything before Leaving CombineZ ?
と聞いてきますが、合成結果を保存すれば通常は他に保存しておくべきものは無いはずで、「いいえ」で終了します。 (7)の All Methods で行った場合は、もっと良い合成画像が無いか、「output」フォルダー内の写真を確認しておくとよいでしょう。 コケの顕微鏡写真のような半透明的要素を持っている場合は、(2)や(6)の結果が良いことも多くあります。
※ ふとしたきっかけで、Wikipedia にも解説記事があることがわかりました(こちら)。 Wikipedia では「深度合成」とは呼ばず、「焦点合成」または「多焦点合成」という言葉を使っていますので、今まで見逃していたようです。 Wikipediaには複数の焦点合成(=深度合成)用ソフトも紹介されています。
1 件のコメント:
非常に詳しい説明ありがとうございます。
Do Stack「だけ」を使っていたのですが、
こちらの説明の様にAll Methodsを使用したところ、最適な画像が一気に作成できるようになりました。
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