アオキの葉の上でカビゴケとヒメクサリゴケが混生していました。 上の写真の「1」で示した小さな葉がカビゴケで、「2」で示した大きな葉がヒメクサリゴケです。
カビゴケ Leptolejeunea elliptica はたくさんの胞子体をつけていました。 上の写真の「3」は胞子体を包み込んでいる花被で、5稜があり、稜の先は短角になっています。 そして「4」が花被から突き出た胞子体です。 「5」は開裂し胞子を出し終えた蒴の蒴壁ですが、湿っているために綴じて丸くなっていますが、細い弾糸が少し見えている場合が多くありました。
なお、数十m離れた所にあったカビゴケは全く胞子体をつけていませんでした。 本種の胞子体形成の季節が不定なのか、季節は決まっているが、その時に発達した状態の群落でないと胞子体をつけないのかは分かりませんが、前者であるような気がします。
上は花被に保護されている胞子体で、間もなく花被から外に出るでしょう。 花被は上の写真のように側枝の先につきます。 ちなみに、本種は雌雄同株で、雄苞葉も側枝につくようです。
上は蒴を花被の外に出した胞子体です。
上は胞子を散布し終えた蒴です。 湿っているため、4裂している蒴壁は閉じています。 弾糸の壁は、よく見られる螺旋状の肥厚ではなく、ランダムに肥厚しています。
配偶体の様子はこちらなどに載せていますので、胞子体をつけて弱っていることもあり、今回は重複を避けますが、カビゴケであることの証明に代えて、1枚だけ葉の細胞の様子を下に載せておきます。 眼点細胞が散在しています。
(2022.5.17. 和歌山県橋本市 根古谷)
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