2022-10-24

タカネスギゴケ

 上は昨日の再掲で、北八ヶ岳で 2022.9.4.に撮影した写真です。 今回はこのうちのタカネスギゴケ Pogonatum sphaerothecium の観察結果です。

 蒴が無い時のPogonatum(ニワスギゴケ属)とPolytrichum(スギゴケ属)を見分ける1つの方法として、前者の葉は乾くと縮れるものが多く、後者の葉は乾いてもちぢれないとされています。 上の写真は乾いた状態なのですが、本種はニワスギゴケ属であるにもかかわらず縮れていません。 また湿った状態でも、あまり広く開きません。

 葉はやや広い葉鞘部から広披針形に伸びています。 薄板は厚く、光学顕微鏡で(=透過光で)観察すると、薄板のある所は光が通らず、葉身部はほとんど真っ黒に見えています(上の写真)。
 下は上の赤い四角で囲った所の拡大です(グレースケールに変換しています)。

 縁から少し内側に入った所の細胞は、たいへん厚壁です。

 上は葉身部の断面です。 葉身部の縁は筒状に内曲し、薄板を包み込んでいるのですが、断面作成時に開いてしまいました。

 上の写真で薄板は6細胞の高さですが、平凡社では6~11細胞高となっています。 端細胞は卵形です。

◎ タカネスギゴケはこちらにも載せています。

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