トチノキの樹皮についていたコケを撮った上の写真、複数のコケが混じって写っていますが、いちばん多く写っているのはクラマゴケモドキ科のニスビキカヤゴケ( Porella vernicosa )です。
ニスビキカヤゴケの和名は、ニスをひいたような光沢があってカヤの葉に似たコケという意味でしょう。 かじってみるとピリピリする辛さを感じるのもいい特徴でしょう。
拡大した上の写真(乾いた状態)を見ると、葉が内曲している(=裏に巻き込んでいる)ために厚さがあるように見えるとともに、茎に沿って凹みがあるように見えます。
上は2枚目の写真と同じ乾燥した状態のものを腹面(=裏側)から見たものです。葉が巻き込んでいることは分かっても、茎に沿った部分は何やらゴチャゴチャしていてよく分かりませんね。
これを水に浸して葉を広げてやると・・・
腹側に巻き込んでいた葉(側葉)の背片は、湿った状態でも、ゆるくはなるものの、内曲の状態は維持されています。 背片にも腹片にも腹葉にも数本の歯が見られます。 腹葉は外曲しています(反り返っているように見えます)。
(2015.6.17. 岩湧山 標高400m付近)
◎ こちらではニスビキカヤゴケの葉(背片と腹片)や腹葉を茎から外して観察しています。