2015-11-05

ヒロハツヤゴケ


 写真はヒロハツヤゴケ( Entodon challengeri )でしょう。 葉は扁平についています。 蒴が直立するのはツヤゴケ属に共通の特徴です。 上の写真では胞子体がまだ若くて分かりにくいのですが、帽が大きいのもツヤゴケ属の特徴で、生長した帽をつけた蒴はこちらに載せています。 また、熟して褐色になった蒴や蒴歯の様子などはこちらに載せています。


 上の写真で、下方に葉が縮れている別種が混じっていますが、ヒロハツヤゴケは乾燥しても葉の形がほとんど変化しないことがよく分かると思い、そのままにして撮りました。


 葉を含めた枝の幅は、上の写真では1.5mmほどで、このくらいがヒロハツヤゴケの標準的な幅のようです。 スケールは最小目盛が0.1mmで、1mmごとに数字がついています。


 上は元気良く伸びている茎の先の部分ですが、赤い線で示した所から、新しい胞子体が伸びてくるのだと思います。


 上は葉の先の部分です。 歯は葉の全周で見られません。 葉身細胞は線形です。


 上は葉の基部です。 翼部には方形~矩形の細胞群があります。 中肋は短く不明瞭で、2叉しています。 下は上と同じ写真で、中肋を赤で囲ってみました。


(2015.10.18. 京都市 宝が池公園)

◎ 1枚の葉全体を撮った顕微鏡写真はこちらに載せています。