写真はサンカクキヌシッポゴケ
Seligeria austriaca です。 石灰岩地に生育する微小なコケで、上の写真も石灰岩の壁にくっついています。 環境省絶滅危惧Ⅰ類に指定されているのも、この 小ささ=見つけにくさ も関係しているように思います。
上の写真では透明尖があるようにも見えますが、白く見えるのはほとんどが炭酸カルシウムです。 石灰岩地帯では雨水に溶けた炭酸水素カルシウムが、水の蒸発と共に空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとして残ります。 上の写真はかなり拡大していますので、新しい葉を除いて、細いものまで石灰でまぶしたように白くなっています。
上は茎の横断面で、三角形をしています。 和名の「サンカク」は、この茎の様子や、この茎につく葉もほぼ3列につくことに由来します。 ただ、葉が3列についている様子は、実体双眼顕微鏡で観察していると何となく分かる場合もあるのですが、葉先は広がりますので、写真ではなかなかうまく表現できません。
葉の長さは 0.5~0.7mm、葉先は鈍頭です。
上は葉先近くです。 どこまでが中肋か分かりにくいのですが、中肋が大部分を占めていて、中肋では細胞が重なって見えています。 つまり、中肋上部は2細胞層です。
(2019.12.27. 岡山県西部の石灰岩地帯)
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