写真は雌器托をつけたフタバネゼニゴケ
Marchantia paleacea ssp.
diptera です。 多くの苔類の子器托は、未授精で胞子体が形成されない場合には発達しないのですが、
Marchantia(ゼニゴケ属)は未授精でも雌器托を発達させるという特徴があります。加えて本種は、未受精の場合には雌器托の裂片は2枚だけが発達して、胞子体が形成されている雌器托とは異なる形態になるという特徴があり、和名の「二羽」はその様子からつけられています。
写真は12月末に撮ったので、雌器托は枯れて褐色になっていますが、雄株が近くに無かったのか(本種は雌雄異株です)、見るかぎり全ての雌器托が二羽になっているようです。
なお、このような雌器托の若い緑の状態は
こちらに載せています。
上は雌器托の表面を拡大したもので、気室や気室孔が確認できます。 この仲間の雌器托は胞子体と間違われる場合があるのですが、この様子を見ると、雌器托は基本的には葉状体と同じつくりであり、胞子体とは別のものであることが分かるでしょう。
(2019.12.28. 岡山県井原市)
◎ フタバネゼニゴケの葉状体腹面の特徴や杯状体については
こちらに、胞子体形成が進行している雌器托の様子は
こちらに載せています。
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