2020-04-08

カギヅメムチゴケ

 この記事は、2025年12月27日に大幅に書き換えています。

 写真は Bazzania vietnamica でしょう(2020.3.3. 屋久島)。 新しい枝は緑褐色ですが、古くなると薄褐色になります。
 このムチゴケは、2016年に古木先生が屋久島での生育を発見されたものです。 最初にこの記事を書いた段階では、和名は無く、種小名からベトナムムチゴケ(仮称)としていました。
 古木先生はこのコケを2021年の日本蘚苔類学会宮崎大会で日本新産として発表され、その要旨は蘚苔類研究12(8)に載せられています。 その後、蘚苔類研究13(3),2024.に本種の特徴を詳しく記載され、和名をカギヅメムチゴケ(新称)とされています。 そこで、この記事のタイトルを、「ベトナムムチゴケ(仮称)」から「カギヅメムチゴケ」に変更するとともに、この記載と照らし合わせ、文章を一部書き直すとともに、改めて観察した結果を、写真を含め、下に追記しました。


 上は腹面から見ています。 葉の先端の歯は3個(以上)です。 腹葉は葉と同じ色です。


 葉を含めた茎の幅は2~3mmです。 腹葉の幅は茎径の約1.5倍です。


 葉と腹葉は合着していません(上の写真)。 腹葉の基部は茎と密着し、上部や側縁は外曲しています。


 上は腹葉を腹面から撮っています。 腹葉の先端は円鋸歯状で、基部は盛り上がり、葉縁基部は耳たぶ状になっています。

 上は葉の葉身細胞ですが、細胞の形状は腹葉でも同じです。 葉身細胞はトリゴンが大きく厚壁、油体は無色で均質です。 

---------------------------
 以下は 2025.12.26.に上と同じ標本(既に色も変わり、油体も消えています)を追加観察した結果です。

 上は葉ですが、背縁基部(a)にも腹縁基部(b)にも耳状の付属物が見られます。 下はbの部分を(少し回転させ)拡大して撮った写真ですが・・・

 上は葉の腹縁基部ですが、赤い楕円で囲った所では向軸側に折れ曲がっています。 また、赤い矢印の所には単細胞性の透明細胞があります。

 もう1枚葉を載せておきます。

 下は上のcとdの部分を拡大した写真です。

 上はcの背縁基部の拡大です。 耳状の付属物があり、その縁に単細胞性の透明細胞があります。

 上はdの腹縁基部の拡大です(少し回転させています)。 耳状の付属物が向軸側に折れ曲がり、赤い矢印の所には透明細胞があります。

 上は腹葉です。 葉先は不規則に浅く数列に裂け、裂片の先は円鋸歯~鋸歯状です。 色は葉と同じなのですが、葉縁の透明細胞の存在が分かるように、上の写真では色を濃くしています。 下は、葉縁の透明細胞を分かりやすく示すため、上の赤い楕円で囲った所を拡大した写真です。

◎ カギヅメムチゴケはこちらにも載せています。


0 件のコメント: