上の写真の粘菌は、子実体の高さは 11.5~12mm、柄の長さは5~6mmで、全体の形や色、子嚢と柄のそれぞれの長さなどから、サビムラサキホコリ Stemonitis axifera だろうと思います。
この写真の右中央に甲虫が一頭います。 体長は 1.3mmです。 これを拡大すると・・・
ヒメキノコムシ科の甲虫のようです。 写真は何枚か撮ったのですが、この大きさの手持ち撮影、ピントの合っているのは上の1枚だけでした。 しかし、写真ではよく分かりませんが、撮影しながら行動を観察していると、胞子を食べているようでした。
保育社の甲虫図鑑では、ヒメキノコムシ科は国内に2属3種が分布していて、これまでに判っている限りすべての種が粘菌類を餌にしているようです。 しかしその後、このような小さな虫でも研究が進み、現在ではヒメキノコムシ科は 10種を越えているようです。
写真のものはマルヒメキノコムシ Aspidiphorus japonicus のようにも思うのですが、上のような状況下、種の違いも把握できていませんので、「ヒメキノコムシ科の1種」としておきます。
いずれにしても、粘菌の子実体の存在期間はとても短いものですから、それに合わせてこの甲虫の成長もとても速いようです。 しかし子実体の無い期間はどのような形態で耐えているのか、不思議です。
(2020.7.22. 大阪府 箕面公園)
◎ こちらではサビムラサキホコリの細毛体の様子などを載せています。