コンクリート製の擬木の上で混生していた上の写真のコケ、Aはアツブサゴケで、Bや蒴はエゾキヌタゴケだと思います。
以下はこのアツブサゴケ Homalothecium laevisetum の観察記録です。
上は乾いた状態です。 基物上を這う茎から多くの枝を上方に出しています。 茎のあちこちから密集した仮根が出ています。 枝はほとんど枝分かれしていません。 枝葉は乾燥時には枝に圧着します。 なお、本種によく似たアツブサゴケモドキは乾いても葉は展開したままです。
枝葉は茎葉より大きく、長さは2mmほどあります。
枝葉は広披針形で漸尖し、多くの深い縦じわがあります。 中肋は縦じわと紛れて分かりにくいのですが、葉長の2/3~3/4に達しているようです。
中肋の背面上端は歯で終わっています(上の写真)。
上は葉先付近です。 葉縁の小さな歯は全周にわたってあります。
翼部や基部の細胞は短く厚壁で、暗くなっています。
上は葉身細胞です。
(2020.7.8. 大阪府 箕面公園)
◎ アツブサゴケはこちらにも載せています。 また、こちらでは蒴歯の様子などを調べています。