2020-09-05

タカネツボミゴケ


 写真はタカネツボミゴケ Solenostoma infuscum var. ovicalyx でしょう。 「苔の洞門」の、壁ではなく、落下したと思われる岩上に育っていました。


 上の写真の茎の長さは1cmほどあったのですが、軟らかいうえに仮根が発達しくっつきあっていて、1本の茎を分離しようとしているうちに切れてしまいました。 上の写真の右や下に伸び出しているのも仮根がくっつきあったものです。
 葉は斜めにつき、密に重なっています。 葉の長さは 1.5mm前後です。 茎の下部の葉はほんのり赤みを帯びています。


 上は側面から撮っています。 茎の腹面や葉の基部から色の薄い仮根がたくさん出ています。 腹葉はありません。



 葉は卵状舌形で円頭です(上の2枚の写真)。 なお、上の1枚目の写真には別の葉の断片がついています。


 上は葉身細胞で、大きなトリゴンがあります。 上の写真では油体の様子がはっきりしないので、少し顕微鏡の焦点をずらすと・・・


 各細胞には、楕円形で微粒の集合である油体が、2~6個見られます。

(2020.8.31. 北海道 千歳市)

◎ 蒴をつけた本種と思われるコケをこちらに載せています。