下は Part1の2013.11.12.に載せていた記事を、一部書き換えてこちらに引っ越しさせたものです。
マサキに羽化したミノウスバが群がっていました( 2013.11.8.堺市南区岩室で撮影)。 飛び回ったりはせずに、ほとんどの個体はじっとしたままですが、交尾中のものや産卵中のものなど、いろいろです。 下は交尾しようとしているオスとメスです。
メスの触角は線状ですが、オスの触角はメスのフェロモンを受けるためでしょうか、発達して櫛歯状になっています。 ということは、活動は視覚に頼らず、主に夜ということになるのでしょうね。
オスもメスも翅は黒い色がついていますが透けていて、体は鮮やかなオレンジ色と黒の目立つ色をしています。 まるで警戒色のようですが、毒は持っていません。 この色は生態的にどのような意味を持っているのでしょうか。
ちなみに、ミノウスバは漢字では「蓑薄翅蛾」と表されています。 この「蓑(みの)」は体を覆っている長い毛を指し、「薄翅」は翅の透明なところからだと思われます。
上は産卵中のメスです。 卵はマサキやコマユミ、マユミなど、幼虫の食餌植物であるニシキギ科の木の枝に産み付けられます。
産み付けられた卵を拡大してみました(上の写真)。 卵は毛にまぶされたようになっています。 この毛は成虫の体に生えていたものでしょう。
この毛は卵を守るのに役立っているのでしょう。 この密度ほんとうに守ることに役立っているのかと思われますが、寄生蜂などは少しでも毛に触れると産卵を躊躇する場合が多いようです。
成虫の体の背面の毛をどのように卵の方に持っていくのかも不思議です。 2枚目の写真の個体は毛が少なくなっているようですが、このような行動の過程で毛が腹部の端に集められるのでしょうか。
上はオスですが、尻を上げているのはカメラを近づけたための威嚇姿勢だと思うのですが、上にも書いたように、黒い毛に毒があるわけではありません。 毛だけで鳥などの敵に対して有効なのでしょうか。
産み付けられた卵は、このまま冬を越し、春に孵化します。 若齢幼虫には、外敵に攻撃された時に不快な味のする防御液を分泌する腺があり、集団で生活しますが、その後分散していきます。
上は 2012年の5月中旬にニシキギにいた幼虫を撮ったものです。 たぶん終齢幼虫だと思います。 この木にはたくさんの幼虫がいたので、ここにもたくさん成虫がいるだろうと確かめに行ったのですが、成虫の姿は全くありませんでした。 たくさんいた幼虫は鳥などの犠牲になってしまったのでしょうか。
幼虫はその後石の下などで繭を作って夏を過ごします。
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