2021-04-24

イボヤマトイタチゴケ

 

 樹幹についていた上の写真のコケ、茎は赤みを帯び、比較的大形で、これまで見たことの無いコケだと思って撮ったのですが・・・

 乾くにつれて次第に葉は茎に接し、二次茎は湾曲しはじめました。 上の写真でも二次茎の先が少し右に曲がりかけています。 これは・・・

 葉を確認すると、やはりイタチゴケの仲間のようです。 翼細胞(上の写真では色が濃く見えています)は葉縁に沿ってかなり上までありますが、それでも葉長の1/3ほどです。
 そういえば・・・

 最初の写真のすぐ近くには上の写真のようなイタチゴケの仲間の群落がありました。 最初の写真のような湿った状態のイタチゴケの仲間の群落を野外で見るのはたぶんはじめてで、分からなかったのだと思います。

 上の写真は二次茎の断面です。 イタチゴケとイボヤマトイタチゴケはよく似ていますが、前者の二次茎には中心束があるのに対し、後者の二次茎には中心束がありません。 平凡社の図鑑ではイタチゴケ属として11種が載せられていて、蒴を調べないと断定はできませんが、生育状況から見て、普通種のイボヤマトイタチゴケ Leucodon atrovirens だと思います。

(2021.4.7. 神戸市北区有馬町)

こちらにはイボヤマトイタチゴケの蒴の様子も載せています。

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