写真はヤクシマタチゴケ Atrichum yakushimense でしょう。 ナミガタタチゴケやヒメタチゴケは土上に育ちますが、本種は上の写真のように岩上に点々とついていました。 雌雄異株のようですが、たくさん蒴をつけています。
和名に「ヤクシマ」とついていますし、上は屋久島で撮った写真(2023.3.8.撮影)ですが、分布は北海道~九州となっています。
ヒメタチゴケより小形で、上の写真で茎の長さは約5mm、平凡社では1cm以下となっています。
乾くと上のように縮れます。
上の葉は長さ約5mm、平凡社では8mm以下となっています。 横じわも確認できます。 葉形は平凡社では広楕円状舌形で中央より上がもっとも幅広いとなっていますが、幅は基部と葉先近くを除いてほとんど同じでした。
上は葉の上部を背面から撮っています。 横じわは弱く、プレパラートにすると不明瞭になりますが、横じわ沿いに少数の歯が並んでいます。
葉縁には舷があり、双歯が並んでいます(上の写真)。
上は葉身細胞です。
上は中肋の断面です。 平凡社には「薄板は痕跡的で1細胞の高さ」とあるのですが、薄板は数枚の葉を観察しても確認できませんでした。 薄板はいつでもどの葉にもあるものではなさそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿