2018-11-08

チヂミザサ



 チヂミザサ Oplismenus undulatifolius の花がまだ咲いていました。 前に載せた柱頭の色は白っぽかったのですが(こちら)、今回見たのはピンクです。
 イネ科の花としては見栄えがする方ですが、群落で一斉に咲くのでは無さそうです。


 葉は波打っています。 和名はこの葉の様子が、笹の葉が縮んでしわがよったように見えるところからでしょう。
 葉の基部は葉鞘となって茎を抱いています。


 花が終わり果実が熟す頃になると、上の写真のように苞頴の芒が粘液で覆われるとともに、小穂の基部で外れやすくなり、いわゆるひっつき虫となって動物の体などにくっついて種子散布を行います。
 なお、上の写真でも毛が目立っていますが、花軸や葉に毛の多いものをケチヂミザサと呼んでいます。しかし、この変化は連続的で変種レベルでも分けないことが多く、和名としては両者を含めてケチヂミザサと呼ぶ場合もあります。

(2018.11.3. 堺自然ふれあいの森)

2018-11-07

11月のコマチゴケ



 上はコマチゴケ Haplomitrium mnioides の雌株です。 胞子体を包み込んたカリプトラが少し伸びてきています。


 上は、少し雌株も混じっていますが、多くは雄株です。 3枚の葉で三角形に取り囲まれている花盤状の部分は造精器が集まっているところです。 この部分は、濡れていることもあり、とても新鮮な状態に見えます。 しかし、雌株では卵細胞が受精してカリプトラの中で胞子体として育っているこの時期に、これから精子を出すはずはありません。 確かめるために断面を作ってみると・・・


 凸凹しているのは表面だけで、組織内には何も見あたりません。 精子が出てしまった後の造精器があったとしても、空の造精器は透明で見分けがつかないのでしょう。
 下は上の一部の拡大です。


(2018.11.3. 堺市南区豊田)

◎ 特に胞子体のこの後の変化(2月下旬から4月中旬の胞子散布まで)や細胞の様子などはこちらに載せています。

2018-11-05

ムラサキシラホシカメムシ



 イヌタデにムラサキシラホシカメムシ Eysarcoris annamita が来ていました。 果実になりかけの胚乳を吸いに来ているのではないかと思います。

(2018.11.3. 堺自然ふれあいの森)

2018-11-04

フデゴケ


 小筆の穂先がたくさん並んでいました(上の写真)。 フデゴケ Campylopus umbellatus の和名は、きっと上のような姿に由来しているのだと思います。


 葉先は透明な芒になっています。


 フデゴケはヤマトフデゴケとよく似ているので、確認のために葉の切片を作ってみました(上の写真)。 下は上の赤い四角で囲った部分を、顕微鏡の倍率を上げて撮ったものです。


 中肋の部分は複数の細胞が層を成しています。 この層の中央に大きな細胞が1列に並んでいます。 この細胞はガイドセルと呼ばれていて、水の移動に関係するのではないかと言われています。 また、その上(=腹面)にも下(=背面)にも小さな細胞が層を成しています。 この細胞の層はステライドと呼ばれていて、強度を保つ働きをしているのではないかと考えられています。 なお、ヤマトフデゴケの中肋のステライドは背面にしかありません。
 下は上と同じ所を、偏光を使って細胞壁を光らせて撮ったものです。


(2018.11.3. 堺市南区鉢ヶ峯寺)

◎ フデゴケの葉の断面はこちらにも載せていますし、葉身細胞なども含めたこちらにも載せています。 また、栄養繁殖などについてはこちらに載せています。

2018-11-03

コモリグモの一種




 コモリグモの名前は、メスが卵や幼虫を腹部で保護するところからですが、活発な徘徊性のクモですから、とてもじゃありませんが、こんな写真は撮れません。 これも10月27日に堺自然ふれあいの森で行われたクモの観察会で捕まえたクモで、アルコールで死んでもらっています。
 クモの分類学上の特徴はよく眼の配列に現れますが、この仲間は正面から見ると、眼が3列に並んでいるように見えます。
 毒グモとして有名なタランチュラもこの仲間ですが、この仲間がそんなに強い毒を持っているわけではありません。