2018-04-17
4月中旬のアズマゼニゴケ
上は4月11日に京都市の西芳寺川で撮ったアズマゼニゴケ Wiesnerella denudata です。 白い小さな点は気室孔です。(気室孔の断面はこちらに載せています。)
アズマゼニゴケについては、10月中旬の造卵器や造精器が確認できる時期の様子や、5月中旬の雌器托が伸びて胞子が確認できる時期の様子をこちらに載せています。
雌器托は胞子が成熟してから柄が伸び出して胞子を散布しますから、上記の経過からすれば、4月中旬は胞子がまもなく成熟する時期のはずで、雌器托はまだほとんど伸びていません。
そのような時期の雌器托の断面を作ってみました(下の写真)。
胞子が作られている所はまだ緑色ですが、雌器托に守られ、胞子体は大きく生長しています。
雌器托の柄には、葉状体の腹面から連なる仮根の束が2本見られます。 上の写真では、この仮根束は途中で途切れているように見えますが、これは切断面が少し斜めになったためで、上まで伸びていて、胞子体の周囲に見られる仮根とつながっています。 この雌器托柄の中の仮根束は、ゼニゴケやジャゴケの所に書いたように、精細胞が運ばれる通路になるのでしょう。
上は胞子体の顕微鏡写真で、中にはたくさんの胞子が詰まっています。
上は胞子体の切断面からこぼれ落ちた胞子と、胞子の下には弾糸が写っています。 胞子は未成熟ですが、減数分裂で4個に分かれたことを示す溝が見えます。
◎ 上記の状態から進んで、胞子を散布している5月上旬の様子や成熟した胞子などをこちらに載せています。
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