クスノキの若木の幹についていた2種類のコケ、2018.8.28.に堺市南区岩室で撮影しました。
上は1の拡大、下の2枚は2の拡大です。(拡大率はほぼ同じです。)
番号1のコケはフルノコゴケだとすぐに分かりましたが、番号2のコケはルーペでは小さすぎ、持ち帰って調べました。
葉は小さく、中肋はかなり上まで伸びているようですが、どこまで伸びているのか、よく分からないので・・・
上は、コンペンセータ(検板)に鋭敏色板(λ=530)を使った偏光顕微鏡で撮ったものです。 中肋を構成している細胞は葉身細胞より細長く、葉の先の長く伸びた所では、この細胞ばかりになっています。 つまり中肋は長く突出していることになります。
上の写真は葉の背面で、右上が葉先側になりますが、葉身細胞の上端にパピラがあります。
以上のことから、このコケはノミハニワゴケ Haplocladium angustifolium でしょう。
本種はこれまでに何度か載せていますが、こちらは倒木上にあったものですし、こちらは岩上です。
2018.4.26. 堺市南区鉢ヶ峯寺 |
上の写真は、水が伝う道路の側溝のコンクリートの壁面に育っていた本種を上から撮ったもので、下(写真では右側)は流れている水です。
2018.3.23. 堺自然ふれあいの森 |
また、堺自然ふれあいの森では、3月から4月にかけて、広い面積を覆う本種の赤い蒴柄が目立ちます(上の写真)。
このように、本種の育っている所を見なおしてみると、木の幹、倒木(朽木)上、岩上、コンクリート(アルカリ性)上、土の上と、じつに様々です。
多くのコケでは育つ所が限られているのに、こんな生育場所を選ばないコケもあるのですね。
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