2018-08-30

シンジュ(ニワウルシ)の花外蜜腺


 シンジュ(ニワウルシ) Ailanthus altissima の葉にたくさんのアリがいました。 上の写真には2種のアリが写っているようですが・・・



 ほとんどのアリはアミメアリ Pristomyrmex punctatus でした。 上の2枚の写真のようにアリがなかなか離れようとしない所を、アリを追い払って撮ると・・・


 シンジュの葉は羽状複葉ですが、その小葉の基部近くにある葉縁に小さな膨らみがあり、そこから蜜が出ているようです。 これは花外蜜腺でしょう。
 花外蜜腺については、これまでに何度か書いていますが(最近の記事ではナタマメ)、葉などを食害する虫をアリに追い払ってもらおうと、植物が花以外の所から蜜を出してアリを呼び寄せているようです。 シンジュの場合は、上のような小さな膨らみは全ての小葉で確認できますが、実際に蜜を出しているのは、私の限られた観察では、若木の柔らかい若い葉のみのようです。

 以下、シンジュ(ニワウルシ)のことをもう少し書いておきます。


 上の写真がシンジュです。 中国北中部原産のニガキ科の落葉高木で、日本には明治初期に渡来しています。 野蚕の一種のシンジュサンの養蚕目的に栽培されたことがあり、現在では各地で野生化しています。 和名のシンジュ(神樹)もシンジュサン(神樹蚕)の食樹であることによる名前でしょう。
 別名のニワウルシは、葉の広がり方がウルシ(ウルシ科)に似ているところからで、ウルシとは関係なく、もちろんかぶれる心配もありません。

(2018.8.28. 堺市南区岩室)

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