擬木の上で、たくさんのキアシドクガの幼虫が這い回っていました(上の写真:2021.5.14.箕面公園)。 分散中のようです。
キアシドクガ Ivela auripes はドクガ科に分類されているため、このような名前になっていますが、上の写真の幼虫にも毒針毛は無く、一生を通じて毒は無いとされています。 食餌植物は主にミズキで、時にはクマノミズキやエゴノキの葉も食べるようです。 卵で冬を越し、1化性で、見ることのできる期間は短いのですが、ときに大発生するようです。
この幼虫は間もなく蛹になり、5月中には羽化すると思いますが、その様子を Part1の 2014.5.28.の記事にしていましたので、こちらに引っ越しさせておきます(文は全面的に書き換えました)。
上の3枚は 2014.5.28.に大阪府岸和田市の神於山で撮影した成虫の乱舞です。触角の様子から、オスが飛び回ってメスを探しているようで、なかなか止まってくれません。 成虫の口吻は退化していて、成虫期は数日しかありません。 昼間に食樹の近くの高い所を飛び回るので、「白い蝶」と誤認する人も多いようです。
やっと止まってくれたところを撮ったのが上の2枚です(かなり無理して撮っているので、いい写真ではありませんが・・・)。
和名の「キアシ」は成虫の前脚が橙黄色であるからです。 オスは上の写真のように前脚のみが橙黄色ですが、メスでは前脚に加えで他の脚の?節(先端部)も橙黄色になっています。
まだ羽化していない蛹も残っていたと思ったのですが、何者かに腹部に穴を開けられていて、アリの餌となっていました(上の2枚の写真)。 蛹は上の写真のように粗い繭を作ります。 多くの場合、寄生蜂などにはこのような粗い糸でも蛹を守る効果があるようですが、ここでも防御のしくみを工夫するものと防御を破るものとの進化のいたちごっこがあるようです。
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