ヒメタチゴケ
Atrichum rhystophyllum の蒴が陽だまりの逆光に輝いていました。 注意して見ると、蒴の頂から上に伸びているものに長いものと短いものがあります。 最初は不思議に思っていたのですが、短い方は蓋の先が嘴状に伸びたもので、長い方は長く伸びた帽のようです。 ただ、帽は蒴に密着していて、上の写真では、どこまでが帽なのか、よく分かりません。
持ち帰って1日置いたものの中に、上のようになったものがありました。 これならどこまでが帽なのか、明らかです。
ヒメタチゴケとタチゴケ(ナミガタタチゴケ)はよく似ています。 ヒメタチゴケの方が小さいのですが、植物体の大きさは生育環境によって変化します。
みつけた時は大きさからヒメタチゴケだと思ったのですが、平凡社の図鑑にはヒメタチゴケの蒴は稀と書かれていることもあり、確認のために葉の細胞の大きさを調べました(下の写真)。
葉身中部の細胞の長さは、ナミガタタチゴケが 17~25μmであるのに対し、ヒメタチゴケは 12~18μmですので、やはりヒメタチゴケで良かったようです。
(2017.12.1. 堺市南区 鉢ヶ峯霊園)
◎ ヒメタチゴケの造精器や葉の断面などの様子は
こちらに、葉の詳細は
こちらに載せています。
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